講演情報
[O14-6]当院における腹腔鏡下直腸固定術 Wells変法とLVR法の比較とLVR法再発例から検討した術式の要点
大塚 亮, 齊藤 修治, 平山 亮一, 江間 玲, 佐々木 一憲, 植田 吉宜, 宮島 綾子 (横浜新緑総合病院消化器センター外科)
直腸脱は高齢者が増加するにつれて今後も増加すると予想される疾患である.多くの手術法が報告されているが,一般的に経会陰手術は再発率が高く,2012年4月に腹腔鏡下手術が保険適応となり,より低侵襲な治療法として腹腔鏡下直腸固定術が普及してきている.
当院ではdelorme+thiersch法を行っていたが,2014年9月よりWells変法による腹腔鏡下直腸固定術を導入し,2019年11月からはLaparoscopic ventral rectopexy(LVR法)を行っている.Wells変法14例とLVR法19例の短期成績について検討すると,再発例はLVR法に1例認めたのみで有意差はなく,LVR法で排ガス・排便までの日数が短縮され,刺激性下剤の使用が少なく,在院日数も短い傾向にあった.LVR法での再発例は再度LVR法にて手術を行った.
現在LVR法を標準術式としているが,その中で,①直腸前方の深部までの剥離,②引き延ばされた腹膜翻転部でしっかりと直腸前壁を露出すること,③翻転部の口側までメッシュを縫着し直腸を広く挙上すること,④前十靱帯を露出し安全に運針できるように場を確保してからしっかりと固定すること,⑤ダグラス窩を高い位置で再形成すること,などを要点として考えている.中でも②,③はLVR法で再発症例を経験して得た教訓であり,実際の動画を供覧しご意見を頂きたい.
当院ではdelorme+thiersch法を行っていたが,2014年9月よりWells変法による腹腔鏡下直腸固定術を導入し,2019年11月からはLaparoscopic ventral rectopexy(LVR法)を行っている.Wells変法14例とLVR法19例の短期成績について検討すると,再発例はLVR法に1例認めたのみで有意差はなく,LVR法で排ガス・排便までの日数が短縮され,刺激性下剤の使用が少なく,在院日数も短い傾向にあった.LVR法での再発例は再度LVR法にて手術を行った.
現在LVR法を標準術式としているが,その中で,①直腸前方の深部までの剥離,②引き延ばされた腹膜翻転部でしっかりと直腸前壁を露出すること,③翻転部の口側までメッシュを縫着し直腸を広く挙上すること,④前十靱帯を露出し安全に運針できるように場を確保してからしっかりと固定すること,⑤ダグラス窩を高い位置で再形成すること,などを要点として考えている.中でも②,③はLVR法で再発症例を経験して得た教訓であり,実際の動画を供覧しご意見を頂きたい.