講演情報
[P22-1-3]肛門部乳頭状汗腺腫の3例
那須 聡果 (ウィメンズクリニック浦和)
(はじめに)乳頭状汗腺腫は主に性成熟期女性の外陰部に発生する比較的稀な良性腫瘍である.疾患自体が稀であることに加え,特に肛門部の症例に関しては本邦における報告例は少ない.今回,肛門部の乳頭状汗腺腫を3例経験したので報告する.
(症例)
症例1:47歳女性.10年前より会陰部に小指大の腫瘤を自覚していたが,疼痛も掻痒感もないため受診に至らなかった.1年前より腫瘤の増大を自覚したため当院を受診.肛門右前側方部に,一部ピンホール用様の陥凹を伴う表面平滑な10mm大の腫瘤を認め切除生検を施行,病理組織学的に乳頭状汗腺腫と診断した.
症例2:37歳女性.3年前より肛門部の小腫瘤を自覚していたが受診に至らなかった.1年前より次第に腫瘤の増大傾向を認め,擦過痛が出現したため,当科を受診.肛門部右後方に3mm大で一部表面に糜爛を伴う腫瘤を認め切除生検を施行,病理組織学的に乳頭状汗腺腫と診断した.
症例3:50歳女性.半年前からの肛門部腫瘤を主訴に当院を受診.肛門左側に皮下で9mm大の分葉状の硬結として腫瘤を触知し切除生検を施行,病理組織学的に乳頭状汗腺腫と診断した.
(考察)乳頭状汗腺腫は主に外陰に発生する良性腫瘍であり,性成熟期の女性に多くみられるアポクリン腺由来の代表的な良性皮膚腫瘍で,大陰唇>小陰唇>会陰部>肛門周囲の順に多く発生する.多くは半球状・嚢胞上に隆起する境界明瞭な球形腫瘍であるが,腫瘍が腫大し表皮が圧迫壊死を生じると乳頭状組織が露出するため腺癌の様相を呈することがある.しかし本疾患は基本的には特徴的な所見に乏しく血栓性外痔核や痔瘻,ウイルス性疾患等と鑑別が困難なこともあり,初診時診断に苦慮する場合も少なくない.稀ではあるが腫瘍内の腺癌発生の報告もあり,同部位の腫瘤には本疾患の存在を認識し,疑う場合は腫瘤の完全な摘出と組織学的検討が望ましい.
(症例)
症例1:47歳女性.10年前より会陰部に小指大の腫瘤を自覚していたが,疼痛も掻痒感もないため受診に至らなかった.1年前より腫瘤の増大を自覚したため当院を受診.肛門右前側方部に,一部ピンホール用様の陥凹を伴う表面平滑な10mm大の腫瘤を認め切除生検を施行,病理組織学的に乳頭状汗腺腫と診断した.
症例2:37歳女性.3年前より肛門部の小腫瘤を自覚していたが受診に至らなかった.1年前より次第に腫瘤の増大傾向を認め,擦過痛が出現したため,当科を受診.肛門部右後方に3mm大で一部表面に糜爛を伴う腫瘤を認め切除生検を施行,病理組織学的に乳頭状汗腺腫と診断した.
症例3:50歳女性.半年前からの肛門部腫瘤を主訴に当院を受診.肛門左側に皮下で9mm大の分葉状の硬結として腫瘤を触知し切除生検を施行,病理組織学的に乳頭状汗腺腫と診断した.
(考察)乳頭状汗腺腫は主に外陰に発生する良性腫瘍であり,性成熟期の女性に多くみられるアポクリン腺由来の代表的な良性皮膚腫瘍で,大陰唇>小陰唇>会陰部>肛門周囲の順に多く発生する.多くは半球状・嚢胞上に隆起する境界明瞭な球形腫瘍であるが,腫瘍が腫大し表皮が圧迫壊死を生じると乳頭状組織が露出するため腺癌の様相を呈することがある.しかし本疾患は基本的には特徴的な所見に乏しく血栓性外痔核や痔瘻,ウイルス性疾患等と鑑別が困難なこともあり,初診時診断に苦慮する場合も少なくない.稀ではあるが腫瘍内の腺癌発生の報告もあり,同部位の腫瘤には本疾患の存在を認識し,疑う場合は腫瘤の完全な摘出と組織学的検討が望ましい.