講演情報

[P21-2-2]術前診断しえたMeckel憩室内翻による腸重積に対する腹腔鏡手術症例

渡邉 武志, 高橋 宥和, 武田 佳久 (高島市民病院)
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症例は41歳の男性.以前より時々腹痛を自覚していたが,自然軽快していた.3日前から腹部の断続的な痛みが持続するため,当院内科を受診した.腹部US検査で小腸腸重積が疑われ,造影CT検査でMeckel憩室内翻による回腸重積と診断され外科紹介入院となった.待機的に腹腔鏡下回腸部分切除術施行した.術中所見では腹水はなく,回盲部より50cm口側に腸重積腸管を確認して回腸切除術を施行した.術後5日目に軽快退院となった.
 病理組織学的検査では,回腸粘膜面に突出する9.0×3.0×2.0cmの憩室病変を認めた.上皮成分には腸上皮仮性を伴った異所性胃粘膜を認め,糜爛所見を呈していたが,悪性所見は認めなかった.
 成人のメッケル憩室内翻による腸重積症は比較的稀な疾患であり今回腹腔鏡下に切除しえた1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.