講演情報

[P5-2-1]ロボット支援下結腸癌手術の導入初期におけるトラブルシューティング

鈴木 伸明, 熊谷 祐, 高橋 直子, 福井 里桂 (カレスサッポロ時計台記念病院外科)
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【はじめに】2022年4月,直腸癌に加えて結腸癌に対するロボット支援手術も保険適応となり,結腸癌ロボット支援手術は急速普及してきている.今回,ロボット支援下結腸癌手術導入初期のトラブルと対処法に関して,動画で供覧する.【症例1】50代,女性.横行結腸脾彎曲部癌に対して,ロボット支援下横行結腸部分切除術を施行した.Sureform60blueを用いた体腔内デルタ吻合時に,細いシャフトで肛門側腸管をinjuryした.もう一度肛門側切離予定ラインを切り直し,仙骨前面の剥離を追加し,吻合した.後壁吻合はsureform60blueで問題なかったが,entry holeの閉鎖時にsureform60 blueとgreenで2度miss fireし,エシェロンflex60 goldで最終的に閉鎖し,なんとか良好な吻合が得られた.【症例2】80代,女性.上行結腸癌に対してロボット支援下右半結腸切除術を施行した.ICA根部処理時の2重クリップで,視野も良好であったにもかかわらず,clip on clip状態になり根部側から出血を来たした.動脈が前面を走るタイプであったため,圧迫止血の後に首を伸ばしてクリップを再度行い,止血した.【考察】体腔内吻合ではこの他にも,吻合不全は認めないものの,術後経過で高熱が持続した症例も経験したため,ロボット支援下結腸癌手術の導入初期においては,容易に吻合可能でなければ,体腔外吻合も念頭におくことで,手術の安全性が向上すると思われた.【結語】自身が経験したロボット支援下結腸癌手術の導入初期におけるトラブルシューティングを報告する.