講演情報
[P23-1-4]当院での直腸脱に対する腹腔鏡下直腸吊り上げ術の治療成績
西川 元, 小嶋 大也, 出川 佳奈子, 井上 広海, 庭野 公聖, 末永 尚浩, 堀 佑太郎, 中西 宏貴, 中西 保貴, 水野 礼, 中村 公治郎, 畑 啓昭 (独立行政法人国立病院機構京都医療センター外科)
(背景)直腸脱の治療では全身麻酔可能な症例では経腹的Rectopexyが推奨されている.腹腔鏡下手術が普及し,基礎疾患を持つ高齢者にも適応を広げ全身麻酔下でのRectopexyが行われる様になり,当院でも全身麻酔が可能な患者には積極的に腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術を行っている.吊り上げ固定には様々な方式が提唱されており,まだ一定の見解は得られていない.当院では,メッシュを用いないSuture Rectopexyを行っている.
(目的)当院での直腸脱に対する,Suture Rectopexyによる腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術の妥当性を検証する.
(方法・結果)2014年10月から2024年3月までに行われた,22例の腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術の治療成績を検証した.平均年齢は77歳,女性21例,男性1例の直腸脱に腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術を行った.1例で開腹移行となったが,残る21例では腹腔鏡下でのSuture Rectopexyを施行した.平均手術時間は214分,平均出血量は0mlであった.術後平均在院日数は8日で,1例(4.5%)に術後腸閉塞を認めた.平均観察期間16.5ヶ月で,再発は2例(9.1%)に認められた.
(考察)術後合併症は低く,再発率は既報(4−8%)と同程度であった.複数回の経会陰的手術後の再手術症例と,初回手術症例の二例に再発を認め,いずれも半年以内の早期の再発であり,治療適応や手術手技に改善の余地がある可能性が示唆された.
(結語)当院での腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術において,術後合併症および再発率は低く,既報と比較しても良好な成績であり,Suture Rectopexyによる腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術は妥当な術式と考えられた.
(目的)当院での直腸脱に対する,Suture Rectopexyによる腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術の妥当性を検証する.
(方法・結果)2014年10月から2024年3月までに行われた,22例の腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術の治療成績を検証した.平均年齢は77歳,女性21例,男性1例の直腸脱に腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術を行った.1例で開腹移行となったが,残る21例では腹腔鏡下でのSuture Rectopexyを施行した.平均手術時間は214分,平均出血量は0mlであった.術後平均在院日数は8日で,1例(4.5%)に術後腸閉塞を認めた.平均観察期間16.5ヶ月で,再発は2例(9.1%)に認められた.
(考察)術後合併症は低く,再発率は既報(4−8%)と同程度であった.複数回の経会陰的手術後の再手術症例と,初回手術症例の二例に再発を認め,いずれも半年以内の早期の再発であり,治療適応や手術手技に改善の余地がある可能性が示唆された.
(結語)当院での腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術において,術後合併症および再発率は低く,既報と比較しても良好な成績であり,Suture Rectopexyによる腹腔鏡下直腸吊り上げ固定術は妥当な術式と考えられた.