講演情報
[P23-2-3]痔核切除術後の排便・排尿障害を含めた術後合併症についての検討
田中 香織1, 森 俊治1, 山田 英貴2 (1.森外科医院, 2.山田外科内科)
背景:痔核切除後には,便秘や便失禁などの排便障害をきたす症例が散見される.また尿閉や術後出血,術後疼痛など,排便障害以外の症状を呈する症例も多い.痔核切除(ligation and excision:LE)の個数が多いほどこれらの出現頻度が高い印象があった.
目的:排便・排尿障害を含めた術後合併症は,LEの個数と関連があるのだろうか.
方法:2021年1月から2023年12月までに,当院で施行した痔核根治術(LE)324例のうち,治癒確認まで可能であった278例を対象に,術後の排便・排尿障害について検討を行った.検討項目は,浣腸,緩下剤,刺激性下剤使用の有無,便失禁,肛門狭窄の有無,導尿の有無,痛みスケールの推移についてであり,LEの個数によって2群間に分け,χ二乗検定やt検定,ANOVAを用いて検討した.
結果:LE≧2ではLE=1と比べて,有意に浣腸,緩下剤,刺激性下剤を必要とする症例が多く,術後にフェイススケール(FS)≦2になるまでに必要とする日数が多かった.またLE≧3ではLE≦2と比べて,有意に浣腸,緩下剤,刺激性下剤,導尿を必要とする症例が多く,術後にFS≦2になるまでに必要とする日数が多かった.便失禁は2例のみ術直後から術翌日にかけて認められたが,肛門狭窄を認めた症例はなかった.
考察:LE個数が多いと,術後疼痛が強くなり,排便障害や排尿障害をきたす症例が増えると考えられた.
目的:排便・排尿障害を含めた術後合併症は,LEの個数と関連があるのだろうか.
方法:2021年1月から2023年12月までに,当院で施行した痔核根治術(LE)324例のうち,治癒確認まで可能であった278例を対象に,術後の排便・排尿障害について検討を行った.検討項目は,浣腸,緩下剤,刺激性下剤使用の有無,便失禁,肛門狭窄の有無,導尿の有無,痛みスケールの推移についてであり,LEの個数によって2群間に分け,χ二乗検定やt検定,ANOVAを用いて検討した.
結果:LE≧2ではLE=1と比べて,有意に浣腸,緩下剤,刺激性下剤を必要とする症例が多く,術後にフェイススケール(FS)≦2になるまでに必要とする日数が多かった.またLE≧3ではLE≦2と比べて,有意に浣腸,緩下剤,刺激性下剤,導尿を必要とする症例が多く,術後にFS≦2になるまでに必要とする日数が多かった.便失禁は2例のみ術直後から術翌日にかけて認められたが,肛門狭窄を認めた症例はなかった.
考察:LE個数が多いと,術後疼痛が強くなり,排便障害や排尿障害をきたす症例が増えると考えられた.