講演情報

[VWS2-8]hinotori™ Surgical Robot Systemによる結腸癌手術の短期成績

諸原 浩二1, 勝野 秀稔1, 小出 哲也1, 東口 貴彦1, 松尾 一勲1, 遠藤 智美1, 中村 謙一1, 菊地 健司1, 花井 恒一2, 守瀬 善一1 (1.藤田医科大学岡崎医療センター外科, 2.藤田医科大学ばんたね病院外科)
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【目的】国産初の手術支援ロボットであるhinotori™ Surgical Robot System(以下hinotori)は2020年8月に薬事承認され,2022年12月に消化器外科領域で保険適用となり,当院では2023年1月よりhinotoriによる大腸癌手術を開始した.当院における結腸癌手術を動画にて供覧し,その短期成績を報告する.【対象と方法】2023年1月から2024年4月までに施行した結腸癌27例を対象とした.ポート配置はhinotori下部消化管プロクター養成セミナーで推奨された配置を導入している.郭清操作はda Vinci Xiと同様で,右側結腸,左側結腸ともにダブルバイポーラ法を採用している.吻合操作はS状結腸切除ではDST吻合で行い,その他の術式では体腔外での機能的端々吻合で行っている.【結果】年齢は70歳(48-85),性別は男性14例,女性13例,BMIは23.1kg/m2(16.2-27.1)であった.術式は回盲部切除7例,結腸右半切除8例,結腸左半切除5例,S状結腸切除7例であった.コックピット時間ならびに総手術時間はそれぞれ151分(80-273),245分(170-414),術中出血量は19ml(2-130)であった.郭清リンパ節個数は27個(6-67),近位切離端,遠位切離端の距離はそれぞれ100mm(68-280),100mm(40-210)であった.術中偶発症,腹腔鏡下手術や開腹手術への移行は認めず,術後合併症は結腸左半切除症例で腸閉塞を1例に認めた.術後在院日数は10日(7-39)で,術後30日以内の再手術や再入院は認めなかった.【結語】hinotori™ Surgical Robot Systemによる結腸癌手術の短期成績は良好であり,安全に施行しうると考えられた.セッティングや操作性においてhinotori特有の課題は残るが,症例蓄積により今後改良されていくと思われる.今後は適応拡大,新規術者育成などを視野にいれながら,さらに症例を蓄積していきたい.