講演情報
[O22-5]地方中核病院におけるロボット支援下右側結腸癌手術の導入期の短期成績と手術手技
天野 隆皓, 五味 邦之, 清水 忠朗, 森田 夏広, 代田 智樹, 牧野 安楽能, 島田 宏, 丸山 起誉幸, 三原 基弘, 梶川 昌二 (諏訪赤十字病院外科)
【はじめに】当院は医療圏人口が約19万人の地方中核病院である.2022年6月よりda Vinci Xi サージカルシステムを用いてロボット支援下直腸切除術を導入し,2023年8月よりロボット支援下結腸悪性腫瘍手術に対して適応を拡大した.
【課題】ロボット支援下右側結腸癌手術においては,肝彎曲部の授動の際に尾側からの剥離面を頭側から迎えに行く際に剥離面がスムーズに交通しない場合や,術野展開のための腸管の移動の煩雑さが課題と考えており,これを解消するために可能な限り尾側から頭側に授動する手術手順としている.
【手術手順】仰臥位でペイシェントカートを左頭側に配置.体形や手術歴に応じて体外吻合または体腔内吻合を術前に想定.小開腹をおき2番カメラポート留置.1番は右下腹部で盲腸より尾側(場合により下腹壁動静脈より内側),3番は左下腹部,4番は左上腹部,助手は3番と4番の間に留置.回結腸血管背側から剥離する内側アプローチ.中枢側リンパ節郭清ののち内側面より十二指腸球部~肝彎曲部背側~上行結腸背側を可能な限り外側方向に向かって授動.尾側から回盲部を授動し内側剥離面と交通させ,尾側より肝結腸靭帯を切離し十二指腸球部前面まで授動.肛門側切離予定位置が十二指腸下行脚より内側でなければ膵前面の授動や頭側から授動は行わず,なるべく尾側からの視野で切除腸管の授動を完了.吻合の第一選択は体外吻合で,体腔内吻合の場合は挿入孔を連続縫合で閉鎖するオーバーラップ法.回盲部切除の場合,吻合法によらず辺縁動脈はロボット操作下で切離.原則,ドレーンは留置しないが,体腔内吻合時に便の漏出があればドレーンを留置.
【結果のまとめ】抄録時までに重複癌を除きロボット支援下で12例の回盲部切除(5例)または右半結腸切除術(7例)を施行した.年齢中央値82歳(以下,連続変数は中央値),BMI 22.5,GNRI 95,PNI 43,手術時間231.5分,コンソール時間 136分,出血量10 ml,術後在院日数10日であった.吻合形態は,機械吻合8例(うち体腔内吻合2例),手縫い吻合2例であった.Clavien-Dindo Grade III以上の術後合併症を1例に認めた.
【課題】ロボット支援下右側結腸癌手術においては,肝彎曲部の授動の際に尾側からの剥離面を頭側から迎えに行く際に剥離面がスムーズに交通しない場合や,術野展開のための腸管の移動の煩雑さが課題と考えており,これを解消するために可能な限り尾側から頭側に授動する手術手順としている.
【手術手順】仰臥位でペイシェントカートを左頭側に配置.体形や手術歴に応じて体外吻合または体腔内吻合を術前に想定.小開腹をおき2番カメラポート留置.1番は右下腹部で盲腸より尾側(場合により下腹壁動静脈より内側),3番は左下腹部,4番は左上腹部,助手は3番と4番の間に留置.回結腸血管背側から剥離する内側アプローチ.中枢側リンパ節郭清ののち内側面より十二指腸球部~肝彎曲部背側~上行結腸背側を可能な限り外側方向に向かって授動.尾側から回盲部を授動し内側剥離面と交通させ,尾側より肝結腸靭帯を切離し十二指腸球部前面まで授動.肛門側切離予定位置が十二指腸下行脚より内側でなければ膵前面の授動や頭側から授動は行わず,なるべく尾側からの視野で切除腸管の授動を完了.吻合の第一選択は体外吻合で,体腔内吻合の場合は挿入孔を連続縫合で閉鎖するオーバーラップ法.回盲部切除の場合,吻合法によらず辺縁動脈はロボット操作下で切離.原則,ドレーンは留置しないが,体腔内吻合時に便の漏出があればドレーンを留置.
【結果のまとめ】抄録時までに重複癌を除きロボット支援下で12例の回盲部切除(5例)または右半結腸切除術(7例)を施行した.年齢中央値82歳(以下,連続変数は中央値),BMI 22.5,GNRI 95,PNI 43,手術時間231.5分,コンソール時間 136分,出血量10 ml,術後在院日数10日であった.吻合形態は,機械吻合8例(うち体腔内吻合2例),手縫い吻合2例であった.Clavien-Dindo Grade III以上の術後合併症を1例に認めた.