講演情報

[O6-3]腹腔鏡下結腸再建におけるmodified Overlap吻合の手技の変遷

國崎 真己, 銕尾 智幸, 肥田 泰滋, 藤瀬 雄太, 草場 隆史, 碇 秀樹 (佐世保中央病院)
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【はじめに】体腔内吻合の利点は術後腸管運動の回復が早く,経口摂取の開始時期が早くなること,また腸管を腹腔外に吊り上げる必要がないため授動範囲が小さく,また創自体も小さくでき,術後疼痛の緩和や腹壁瘢痕ヘルニアの減少につながると言われ,近年結腸癌に対しても体腔内吻合法が広く行われるようになってきている.その一方で吻合の際の腸管内容流出による腹腔内汚染や遊離癌細胞の腹腔内散布による播種再発のリスクが問題と考えられる.当院では2020年4月より体腔内吻合を導入し,そういったリスク回避に対する再建手技の工夫について供覧する.【手技と方法】ポート配置は原則全ての結腸切除において左右2本ずつの5ポートとしている.再建時腸内容がこぼれないように腸鉗子を使用したmodified overlap吻合を行ってきたが,特にイレウス症例等でなければ使用せず手技を導入当初より簡略化している.腸管切離の際は血流評価のためICG蛍光法を必須とし血流障害による縫合不全を回避している.【考察】術前処置に関しては体腔外吻合時と同様導入当初より術前抗生剤内服などは一切行っていないが特にSSI発生等は認めておらず,術後のドレーン培養においても異常は認めていない.【結語】安全で確実な体腔内再建導入には環境整備,教育及び手技の定型化が重要である.その取り組みについても報告する.