講演情報
[P19-2-2]当院における小児大腸ポリープに対する6症例の治療経験
北條 紋1,2, 辛島 遼1, 鳥羽 崇仁1, 藤本 愛1, 高橋 正貴2, 松田 尚久1 (1.東邦大学医療センター大森病院消化器内科, 2.東邦大学医療センター大森病院小児外科)
2017年に日本小児栄養消化器肝臓学会から小児消化器内視鏡ガイドラインが発刊された.しかしながら,小児大腸ポリープに対する内視鏡治療に関して一定のコンセンサスはなく,症例に応じてケースバイケースで行われているのが現状である.
今回,2016年から2023年までに当院で小児大腸ポリープに対して内視鏡治療を行った6症例の治療経験について報告する.
年齢は4-15歳(中央値6),男児3例,女児3例,発見契機となった臨床症状は6例全例で血便を認め,3例は腹痛を伴い,腸重積を呈した症例が3例あった.内視鏡治療時の前処置は4例で行われ(ポリエチレングリコール,クエン酸マグネシウム,浣腸など),2例は治療時に内視鏡での腸管洗浄のみで行い,麻酔は静脈麻酔(ミダゾラム,ケタミン)が4例,全身麻酔が2例であった.病変は全例単発の有茎性病変で,病変径は12-40mm(中央値20),病変の局在は上行結腸1例,横行結腸1例,S状結腸3例,直腸1例だった.切除方法は全例ポリペクトミーを行い,2例で留置スネアを併用,切除後はすべてクリップによる創部縫縮を行った.切除後病理組織診断はすべて若年性ポリープだった.スコープは病変の局在などに応じて細径大腸スコープや上部用スコープなどが使用され,送気は全て炭酸ガスを用いていた.偶発症の発生は1例もなく,治療後は全例で臨床症状が改善した.
当院における小児大腸ポリープに対する内視鏡治療は血便を契機に発見された比較的大型で単発の若年性ポリープに対してポリペクトミーが行われており,治療成績,安全性は良好な結果であった.前処置,麻酔方法,使用スコープなどは症例に応じて様々な選択が行われていた.小児に対する大腸内視鏡治療の頻度はそれほど高くないが,低侵襲かつ有効な治療法であり,適応や方法に関して今後さらなる症例集積を行い検討する必要があると考える.
今回,2016年から2023年までに当院で小児大腸ポリープに対して内視鏡治療を行った6症例の治療経験について報告する.
年齢は4-15歳(中央値6),男児3例,女児3例,発見契機となった臨床症状は6例全例で血便を認め,3例は腹痛を伴い,腸重積を呈した症例が3例あった.内視鏡治療時の前処置は4例で行われ(ポリエチレングリコール,クエン酸マグネシウム,浣腸など),2例は治療時に内視鏡での腸管洗浄のみで行い,麻酔は静脈麻酔(ミダゾラム,ケタミン)が4例,全身麻酔が2例であった.病変は全例単発の有茎性病変で,病変径は12-40mm(中央値20),病変の局在は上行結腸1例,横行結腸1例,S状結腸3例,直腸1例だった.切除方法は全例ポリペクトミーを行い,2例で留置スネアを併用,切除後はすべてクリップによる創部縫縮を行った.切除後病理組織診断はすべて若年性ポリープだった.スコープは病変の局在などに応じて細径大腸スコープや上部用スコープなどが使用され,送気は全て炭酸ガスを用いていた.偶発症の発生は1例もなく,治療後は全例で臨床症状が改善した.
当院における小児大腸ポリープに対する内視鏡治療は血便を契機に発見された比較的大型で単発の若年性ポリープに対してポリペクトミーが行われており,治療成績,安全性は良好な結果であった.前処置,麻酔方法,使用スコープなどは症例に応じて様々な選択が行われていた.小児に対する大腸内視鏡治療の頻度はそれほど高くないが,低侵襲かつ有効な治療法であり,適応や方法に関して今後さらなる症例集積を行い検討する必要があると考える.