講演情報

[P4-2-2]原発巣切除したStageIV大腸がんの予後規定因子

長田 俊一, 里吉 哲太, 真船 健一 (大船中央病院消化器・一般外科)
PDFダウンロードPDFダウンロード
背景,目的:大腸がんStageIV治療は,臨床試験の結果を受け,原発巣切除を行わず,化学療法を行う方針になっている.原発巣切除での病理学的因子や術前術後の変化の重要性を明らかにするために,原発巣を切除したStageIV大腸がんの予後規定因子について検討した.対象:2014.4から2021.12に原発巣切除した大腸がんStageIV62例.方法:切除した腫瘍の占居部位,臨床病理学的因子(深達度,リンパ節転移,Ly,V,BD),術後/術前CEA値比,StageIVの亜分類,治療経過中にR0,栄養指標として,術前の好中球/リンパ球数比,mGPSをそれぞれ2群に分け,検討1.各因子別の生存曲線を比較検討.検討2.検討1でp<0.05の因子を用い,Coxの比例ハザード回帰分析(P値を用いたステップワイズ変数減少法)を用い,予後規定因子を検討した.結果:全症例の5年生存率は34.6%,中央値33.3ヶ月.結果1.生存曲線で有意差を認めたのは,術後/術前CEA値,治療経過中にR0,深達度,リンパ節転移,Ly,BD,好中球/リンパ球数比,mGPS.検討2.BD:ハザード比2.901,p<0.01,治療経過中にR0:ハザード比0.3196,p<0.05.結語:原発巣を切除したStageIV大腸がんにおけるBDおよび治療経過中にR0が予後規定因子である可能性が示された.局所切除を含めた遠隔転移切除でCurBを確保する治療が有用である可能性が示された.