講演情報
[O20-1]横行結腸癌に対する腹腔鏡手術における術式選択と手技の工夫
笠原 健大, 筋野 博喜, 福島 元太郎, 有働 竜太郎, 田子 友哉, 真崎 純一, 石崎 哲央, 永川 裕一 (東京医科大学消化器・小児外科学分野)
【背景】横行結腸癌に対する腹腔鏡手術はその難易度もあり慎重な適応が推奨されている.特に半側切除と部分切除の術式選択は郭清・予後・QOLの観点からも重要であり,このエビデンスの構築と手術手技の向上は患者および外科医利益に適する.
【対象と方法】2012年1月から2023年12月までに当院で切除可能進行横行結腸癌に対してD3郭清を腹腔鏡手術(ロボット手術を除く)で施行した69例の短期・長期成績を後方視的に検討する.当院における部分切除の適応は,脾湾曲および肝湾曲双方の脱転を要する可能性のある症例を適応外としている.
【結果】半側切除(HC)39例,部分切除(PC)30例が施行されていた.全例で根治手術が施行されており,背景因子では性別,年齢,BMI,ASA-PS,ステージ,閉塞の有無,臓器不全の有無に有意差を認めなかった.短期成績ではリンパ節採取数(HC vs PC=30.0 vs 15.0;p<0.01)に有意差を認めた.出血量(HC vs PC=106.8ml vs 66.3;p=0.129),手術時間(HC vs PC=248,3vs 217.2;p=0.103)はPC群で優れる傾向にあったが,縫合不全はPC群のみに認めた(HC vs PC=0vs2;p=0.116).入院期間,CD2以上の合併症の有無,腸閉塞,SSI,術後排便回数,術後補助化学療法の導入率には両群で有意差を認めなかった.長期成績について両群に差はなかった(OS;p=0.997,RFS:p=0.995).
【手術Video】当院における腹腔鏡下横行結腸切除術(PC)D3郭清の定型的な手術手技と,#223に転移を有し郭清が困難であった高難度症例のVideoを供覧する.
.
【対象と方法】2012年1月から2023年12月までに当院で切除可能進行横行結腸癌に対してD3郭清を腹腔鏡手術(ロボット手術を除く)で施行した69例の短期・長期成績を後方視的に検討する.当院における部分切除の適応は,脾湾曲および肝湾曲双方の脱転を要する可能性のある症例を適応外としている.
【結果】半側切除(HC)39例,部分切除(PC)30例が施行されていた.全例で根治手術が施行されており,背景因子では性別,年齢,BMI,ASA-PS,ステージ,閉塞の有無,臓器不全の有無に有意差を認めなかった.短期成績ではリンパ節採取数(HC vs PC=30.0 vs 15.0;p<0.01)に有意差を認めた.出血量(HC vs PC=106.8ml vs 66.3;p=0.129),手術時間(HC vs PC=248,3vs 217.2;p=0.103)はPC群で優れる傾向にあったが,縫合不全はPC群のみに認めた(HC vs PC=0vs2;p=0.116).入院期間,CD2以上の合併症の有無,腸閉塞,SSI,術後排便回数,術後補助化学療法の導入率には両群で有意差を認めなかった.長期成績について両群に差はなかった(OS;p=0.997,RFS:p=0.995).
【手術Video】当院における腹腔鏡下横行結腸切除術(PC)D3郭清の定型的な手術手技と,#223に転移を有し郭清が困難であった高難度症例のVideoを供覧する.
.