講演情報
[R16-4]直腸脱に合併した多臓器脱に対して一期的に腹腔鏡下直腸固定術・仙骨膣固定術を施行した手術手技と短期成績
鈴木 綾 (辻仲病院柏の葉)
【目的】
骨盤臓器脱の治療において,直腸脱は消化器外科,その他の骨盤臓器脱である子宮脱,膀胱瘤,直腸瘤は婦人科・泌尿器科が担っていることが多い.そのため両者が合併した際,二期的に手術を行うこともあり,患者の負担が増える.当院では直腸脱とその他の骨盤臓器脱の合併症例に関しては一期的に腹腔鏡下直腸固定術(LVR)+仙骨膣固定術(LSC)を施行している.当院での手術手技と短期成績について報告する.
【方法】
2019年4月から2024年3月までLVR+LSCを施行した28例について検討した.当院では最初に臓器脱の治療である腹腔鏡下に子宮膣上部切断術と両付属器切除術を施行,次に直腸脱に対し内骨盤筋膜の高さまで直腸前壁を剥離し,直腸の2時から10時にかけてメッシュを固定する.その後臓器脱に対して膣と膀胱間を外尿道口から1-2cm頭側まで剥離を行い,メッシュを固定する.最後にそれぞれを重ねて仙骨岬角前縦靭帯にテンションフリーで挙上固定する.術前検査で問題がなければ一連の手術手技は単一術者が行っている.
【結果】
対象症例は中央値79(51-88)歳,BMIは中央値22(18-32),手術時間は中央値184(142-315)分,出血量は中央値0(0-50)mlであった.入院期間は中央値5(1-28)日であった.周術期合併症は2例(7.1%)で膣損傷と膀胱損傷を1例ずつ認めた.再発は2例(7.1%)認めた.2例とも直腸脱の再発であった.当院のLSC単独症例と比較しても手術時間などに大きな差は認めなかった.
【考察】
当院のLVR+LSCは比較的良好な短期成績を得られた.患者側の負担を減らすためにも有用な治療法の一つと考えられた.今後も症例を集積していく.
骨盤臓器脱の治療において,直腸脱は消化器外科,その他の骨盤臓器脱である子宮脱,膀胱瘤,直腸瘤は婦人科・泌尿器科が担っていることが多い.そのため両者が合併した際,二期的に手術を行うこともあり,患者の負担が増える.当院では直腸脱とその他の骨盤臓器脱の合併症例に関しては一期的に腹腔鏡下直腸固定術(LVR)+仙骨膣固定術(LSC)を施行している.当院での手術手技と短期成績について報告する.
【方法】
2019年4月から2024年3月までLVR+LSCを施行した28例について検討した.当院では最初に臓器脱の治療である腹腔鏡下に子宮膣上部切断術と両付属器切除術を施行,次に直腸脱に対し内骨盤筋膜の高さまで直腸前壁を剥離し,直腸の2時から10時にかけてメッシュを固定する.その後臓器脱に対して膣と膀胱間を外尿道口から1-2cm頭側まで剥離を行い,メッシュを固定する.最後にそれぞれを重ねて仙骨岬角前縦靭帯にテンションフリーで挙上固定する.術前検査で問題がなければ一連の手術手技は単一術者が行っている.
【結果】
対象症例は中央値79(51-88)歳,BMIは中央値22(18-32),手術時間は中央値184(142-315)分,出血量は中央値0(0-50)mlであった.入院期間は中央値5(1-28)日であった.周術期合併症は2例(7.1%)で膣損傷と膀胱損傷を1例ずつ認めた.再発は2例(7.1%)認めた.2例とも直腸脱の再発であった.当院のLSC単独症例と比較しても手術時間などに大きな差は認めなかった.
【考察】
当院のLVR+LSCは比較的良好な短期成績を得られた.患者側の負担を減らすためにも有用な治療法の一つと考えられた.今後も症例を集積していく.