講演情報
[VWS3-8]腹腔鏡下直腸前方固定術(LVR)における術後再発率低下を目指した手術手技変更前後の,手術成績の比較
鈴木 優之1,2, 浜畑 幸弘1, 鈴木 綾1, 高野 竜太朗1, 赤木 一成1, 小池 淳一1 (1.辻仲病院柏の葉, 2.前田病院)
【背景】完全直腸脱に対する腹腔鏡下直腸前方固定術(Laparoscopic Ventral Rectopexy:LVR)の再発率は,初発例で2.8-11.7%,再発例で12.5-19.0%と報告されている.また全再発症例のうち約半数は術後1年以内に起こるという報告もあり,高齢者が多い患者背景を考慮しても,術後1年の再発率を下げることは重要である.当院でも再発率のさらなる低下を目指し,LVRの手術手技を変更した.
【目的】LVRの手術手技変更前後での手術成績を比較検討すること.
【方法】2020年1月から2023年4月に直腸脱に対しLVRを施行した連続141症例を,変更前の前半群98例(初発53例,再発29例)と,手技変更後の後半群59例(初発45例,再発14例)に分け,患者背景,手術成績を比較検討した.
【結果】対象は141例,うち初発直腸脱は98例(女性84例,男性14例),再発直腸脱は43例(女性38例,男性12例).初発直腸脱について,前半群は53例(女性42例,男性11例),後半群は45例(女性42例,男性3例).手術時間の中央値は前半群で140分(88-233),後半群で128分(87-200)であった.術後1年の再発率は前半群が6例(11.3%),後半群が2例(4.4%)であった.再発直腸脱について,前半群は29例(女性26例,男性3例),後半群は14例(女性12例,男性2例).再発回数は1回が28例,2回以上が15例でだった.既往の術式は経腹手術が13例,経肛門手術が50例であった.手術時間の中央値は前半群で134分(91-234),後半群で175分(113-300)であった.術後1年の再々発率は前半群が4例(13.8%),後半群が1例(7.1%)であった.
【結論】直腸脱に対するLVRについて,手術手技変更前後の手術成績を比較した.LVR手術手技の変更により術後1年再発率が,初発直腸脱は11.3%から4.4%に,再発直腸脱は13.8%から7.1%に低下した.
【目的】LVRの手術手技変更前後での手術成績を比較検討すること.
【方法】2020年1月から2023年4月に直腸脱に対しLVRを施行した連続141症例を,変更前の前半群98例(初発53例,再発29例)と,手技変更後の後半群59例(初発45例,再発14例)に分け,患者背景,手術成績を比較検討した.
【結果】対象は141例,うち初発直腸脱は98例(女性84例,男性14例),再発直腸脱は43例(女性38例,男性12例).初発直腸脱について,前半群は53例(女性42例,男性11例),後半群は45例(女性42例,男性3例).手術時間の中央値は前半群で140分(88-233),後半群で128分(87-200)であった.術後1年の再発率は前半群が6例(11.3%),後半群が2例(4.4%)であった.再発直腸脱について,前半群は29例(女性26例,男性3例),後半群は14例(女性12例,男性2例).再発回数は1回が28例,2回以上が15例でだった.既往の術式は経腹手術が13例,経肛門手術が50例であった.手術時間の中央値は前半群で134分(91-234),後半群で175分(113-300)であった.術後1年の再々発率は前半群が4例(13.8%),後半群が1例(7.1%)であった.
【結論】直腸脱に対するLVRについて,手術手技変更前後の手術成績を比較した.LVR手術手技の変更により術後1年再発率が,初発直腸脱は11.3%から4.4%に,再発直腸脱は13.8%から7.1%に低下した.