講演情報

[O5-1]ロボット支援右側結腸癌手術における内臓脂肪面積の影響

額田 卓, 眞部 祥一, 塩見 明生, 賀川 弘康, 山岡 雄祐, 田中 佑典, 笠井 俊輔, 井垣 尊弘, 島野 瑠美, 森 千浩, 髙嶋 祐助, 坂井 義博, 石黒 哲史, 谷田部 悠介, 辻尾 元, 横山 希生人, 八尾 健太 (静岡県立静岡がんセンター大腸外科)
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【はじめに】ロボット支援大腸癌手術において,肥満症例の手術評価として体格指数(body mass index;BMI)による手術成績の報告は散見するが内臓脂肪面積(visceral fat area;VFA)による報告は少ない.また,結腸癌に対するロボット支援手術の内臓脂肪型肥満症例(WHO基準:VFA130 cm2以上)の手術成績についての報告はない.【目的】ロボット支援右側結腸癌手術においてVFAが手術成績に与える影響を評価する.【対象】2019年11月~2024年3月に当科で原発性右側結腸癌に対してロボット支援手術を施行し,VFAを測定できた症例を対象とした.VFAは術前CT画像の臍レベルでSYNAPSE VINCENTを用いて測定した.VFA130 cm2未満の116例(A群)とVFA130 cm2以上の47例(B群)の短期成績について後ろ向きに比較検討した.【結果】年齢:A群73歳vs. B群71歳(p=0.17),男性/女性:37/79 vs. 32/15例(p<0.01),cStage I/II/III/IV:47/16/51/2 vs. 14/9/21/3例(p=0.24),腫瘍局在V/C/A/T:0/18/79/19 vs. 1/9/28/9例(p=0.34).実施術式ICR/RHC:A群40/76例 vs. B群14/33例(p=0.59),リンパ節郭清D2/D3:24/92 vs. 2/45例(p=0.01)体腔内吻合41 vs. 60%(p=0.04),手術時間:181 vs. 205分(p<0.01),コンソール時間:129 vs. 157分(p<0.01),出血量:0 vs. 0 ml(p=0.79).郭清リンパ節個数:34vs. 31個(p=0.12),pStage 0/I/II/III/IV:3/44/26/41/2 vs. 0/13/17/15/2例(p=0.22).術後合併症Clavien-Dindo Grade≥II:5例(4%)vs. 4例(9%)(p=0.28),Grade≥III:2例(2%)vs. 0例(0%)(p=1.00),術後出血:4例(3%)vs. 0例(0%)(p=0.33),縫合不全:1例(1%)vs. 0例(0%)(p=1.00),吻合部狭窄:1例(1%)vs. 0例(0%)(p=1.00),イレウス:0例(0%)vs. 1例(2%)(p=0.29),術後在院日数:7 vs. 7日(p=0.10).【結論】ロボット支援右側結腸結腸癌手術において,VFA130cm2以上の内臓脂肪型肥満症例は体腔内吻合を選択している頻度が高い.また,内臓脂肪型肥満症例は手術時間の延長を認めるが,合併症頻度は上昇せずに安全に施行できる.