講演情報
[P6-2-5]stageIII大腸癌に対する術後補助化学療法の現状
嶋田 徳光, 清水 洋祐, 佐田 春樹, 原 みひな, 宮田 柾秀, 福田 崇博, 橋本 龍慶, 田妻 昌, 谷峰 直樹, 田澤 宏文, 鈴木 崇久, 尾上 隆司, 首藤 毅, 田代 裕尊 (NHO呉医療センター)
【緒言】大腸癌stageIIIの再発率は31.8%と高く補助化学療法が推奨されている.また低リスク症例にはIDEA collaborationの結果からXelox3ヶ月投与が推奨された.当院における術後の補助化学療法の現状を解析する.
【方法】2016年から2023年の期間,当院で手術後のstageIII大腸癌253例を対象に後方視的に解析を行なった.2020年10月以降は低リスク症例(T 3以下かつN 1以下)にXelox3ヶ月投与を行なっており,その前後での比較を行なった.
【結果】stage III大腸癌253例(男女比140:115,年齢中央値73歳(65-81))のうち,補助化学療法は147例に施行されていた(Xelox80例,UFT/ユーゼル38例,ゼローダ27例,SOX 2例).補助療法非施行群の年齢は中央値80(71-85)歳と非施行群70(60-77)歳と比べて高齢であった.12ヶ月の無再発生存率RFSは投与群91.2%,非投与群71.8%であった(p=0.008).
Xelox3ヶ月投与導入前後の比較では前期163例(UFT23.3%,Xelox23.3%,Xeloda2%,無し41.1%),後期群89例(Xelox47.2%,Xeloda単剤10%,無し42.7%)とXelox症例が増加していた.
低リスク群のみで比較すると,術後の再発は6ヶ月群 5/20例(20%,49.5ヵ月),3ヶ月群 2/29例(6.9%,観察期間中央値13.3ヶ月)に認めた.ログランク解析での術後 24ヶ月RFS率は,89.5% vs. 77.2% であった(p=0.302).Xeloxの完遂率は,6ヶ月群が22例(44.9%,投与回数平均値5.78回)に対して3ヶ月群は完遂率22例(73.3%,同3.5回)であった.投与1年以降の末梢神経障害の訴えは6ヶ月群16/47(34%)に対して3ヶ月群2/21(9.5%)と少数であった.
【考察】高齢者が多く十分な補助療法の導入ができず,予後が不良になっている.低侵襲なレジメンよる適応拡大すれば予後の改善が期待できる.低リスクのstageIII大腸癌に対するXelox3ヶ月投与は,短期間の成績ではあるが6ヶ月群と同等の成績を示し,かつ長期の末梢神経障害の減少を得られた.
【方法】2016年から2023年の期間,当院で手術後のstageIII大腸癌253例を対象に後方視的に解析を行なった.2020年10月以降は低リスク症例(T 3以下かつN 1以下)にXelox3ヶ月投与を行なっており,その前後での比較を行なった.
【結果】stage III大腸癌253例(男女比140:115,年齢中央値73歳(65-81))のうち,補助化学療法は147例に施行されていた(Xelox80例,UFT/ユーゼル38例,ゼローダ27例,SOX 2例).補助療法非施行群の年齢は中央値80(71-85)歳と非施行群70(60-77)歳と比べて高齢であった.12ヶ月の無再発生存率RFSは投与群91.2%,非投与群71.8%であった(p=0.008).
Xelox3ヶ月投与導入前後の比較では前期163例(UFT23.3%,Xelox23.3%,Xeloda2%,無し41.1%),後期群89例(Xelox47.2%,Xeloda単剤10%,無し42.7%)とXelox症例が増加していた.
低リスク群のみで比較すると,術後の再発は6ヶ月群 5/20例(20%,49.5ヵ月),3ヶ月群 2/29例(6.9%,観察期間中央値13.3ヶ月)に認めた.ログランク解析での術後 24ヶ月RFS率は,89.5% vs. 77.2% であった(p=0.302).Xeloxの完遂率は,6ヶ月群が22例(44.9%,投与回数平均値5.78回)に対して3ヶ月群は完遂率22例(73.3%,同3.5回)であった.投与1年以降の末梢神経障害の訴えは6ヶ月群16/47(34%)に対して3ヶ月群2/21(9.5%)と少数であった.
【考察】高齢者が多く十分な補助療法の導入ができず,予後が不良になっている.低侵襲なレジメンよる適応拡大すれば予後の改善が期待できる.低リスクのstageIII大腸癌に対するXelox3ヶ月投与は,短期間の成績ではあるが6ヶ月群と同等の成績を示し,かつ長期の末梢神経障害の減少を得られた.