講演情報

[P16-2-1]クローン病に伴う骨盤内膿瘍に対して,経仙骨的アプローチにてコントロールし得た1症例

黒崎 剛史1, 指山 浩志1, 浜畑 幸弘1, 堤 修1, 赤木 一成1, 小池 淳一1, 安田 卓1, 中山 洋1, 川村 敦子1, 鈴木 綾1, 高野 竜太郎1, 佐々木 駿1, 城後 友望子1, 大平 学2, 平田 篤史2 (1.辻仲病院柏の葉, 2.千葉大学医学部附属病院食道胃腸外科)
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【緒言】クローン病では一般に肛門周囲膿瘍の合併が知られている.今回我々は同疾患に伴う高位の肛門周囲膿瘍を呈し,経仙骨的アプローチでコントロールし得た症例を経験したので文献的考察を交えて報告する.
 【症例】28歳,男性.クローン病の既往があり,他院にて終末回腸狭窄のため回盲部切除術後インフリキシマブ治療が奏功し,経過観察中であった.その後治療を自己中断されたが,発熱を主訴にかかりつけ医を受診したところ肛門周囲膿瘍の診断となった.難治性の複雑痔瘻であり前医では治療が困難であったため,当院紹介となった.
 当院で行ったCT精査では肛門管背側の肛門挙筋下に膿瘍腔を認めたため,経仙骨アプローチでCTガイド下ドレナージを施行した.その後も発熱遷延しドレナージ不十分であったため,仙骨のドレーン刺入部よりガイドワイヤーを挿入し,会陰部に開通させてloose setonとしたところ,感染コントロールを得ることが出来た.
 【考察】クローン病に合併した肛門周囲膿瘍では,本症例のように感染コントロールに難渋する症例も散見されるが,自験例は治療選択肢の一つとなり得ると考えられた.