講演情報
[P4-2-3]Stage IV大腸癌におけるConsensus molecular subtypeの予後予測因子としての有用性
高嶋 祐助1, 賀川 弘康1, 塩見 明生1, 眞部 祥一1, 山岡 雄祐1, 田中 佑典1, 笠井 俊輔1, 井垣 尊弘1, 額田 卓1, 島野 瑠美1, 森 千浩1, 石黒 哲史1, 坂井 義博1, 谷田部 悠介1, 辻尾 元1, 横山 希生人1, 八尾 健太1, 畠山 慶一2, 浦上 研一4, 山口 建3 (1.静岡県立静岡がんセンター大腸外科, 2.静岡県立静岡がんセンター研究所ゲノム解析研究部, 3.静岡県立静岡がんセンター, 4.静岡県立静岡がんセンター研究所診断技術開発研究部)
【背景】大腸癌(CRC)において組織の遺伝子発現プロファイルに基づき生物学的特徴を4つに分類したConsensus Molecular Subtype(CMS)が注目されている.これまで海外の報告ではStage IV CRCにおけるCMS分類の予後予測因子としての有用性が報告されているが,本邦におけるデータは欠落している.
【目的】同時性Stage IV CRCにおけるCMS分類の予後指標としての有用性を明らかにすること.
【対象と方法】2014年2月から2019年3月に当院でがん組織のゲノム解析を主体とした外科的切除標本のマルチオミクス解析を施行したStage IV CRCのうち,CMS分類不能,重複/多発癌,原発切除前の前治療症例を除外し,142例を対象とした.長期成績としてOverall survival rate(OS)を評価し,年齢・性別・術前CEA値・占居部位・TNM・脈管侵襲・根治度を共変量とするCox比例ハザード回帰分析を行った.
【結果】対象の年齢中央値65歳,性別は男/女:79/63例,占居部位は右側/左側結腸/直腸:44/52/46例,pT1-2/3/4:2/46/94例,pN0/1/2:19/56/67例,M1a/1b/1c:98/22/22例であった.最終的に転移巣切除を施行した症例は86例であった.分子プロファイリングの結果,CMS分類はCMS1/2/3/4:10/42/26/64例であった.対象全体の5年OSは53.1%,CMS分類ごとの5年OSはCMS1/2/3/4:22.2/65.3/44.1/53.5%(p=0.001)であり有意に層別化された.多変量解析の結果,CMS2に対してCMS4(HR 1.96,p=0.041),CMS3(HR 2.46,p=0.003),CMS1(Hazard ratio[HR]3.85,p<0.017)と有意な調整ハザード比の増加を示した.
【結語】CMS分類は日本人で構成されたコホートにおいてもStage IV CRCの予後予測因子として有用である可能性が示唆された.
【目的】同時性Stage IV CRCにおけるCMS分類の予後指標としての有用性を明らかにすること.
【対象と方法】2014年2月から2019年3月に当院でがん組織のゲノム解析を主体とした外科的切除標本のマルチオミクス解析を施行したStage IV CRCのうち,CMS分類不能,重複/多発癌,原発切除前の前治療症例を除外し,142例を対象とした.長期成績としてOverall survival rate(OS)を評価し,年齢・性別・術前CEA値・占居部位・TNM・脈管侵襲・根治度を共変量とするCox比例ハザード回帰分析を行った.
【結果】対象の年齢中央値65歳,性別は男/女:79/63例,占居部位は右側/左側結腸/直腸:44/52/46例,pT1-2/3/4:2/46/94例,pN0/1/2:19/56/67例,M1a/1b/1c:98/22/22例であった.最終的に転移巣切除を施行した症例は86例であった.分子プロファイリングの結果,CMS分類はCMS1/2/3/4:10/42/26/64例であった.対象全体の5年OSは53.1%,CMS分類ごとの5年OSはCMS1/2/3/4:22.2/65.3/44.1/53.5%(p=0.001)であり有意に層別化された.多変量解析の結果,CMS2に対してCMS4(HR 1.96,p=0.041),CMS3(HR 2.46,p=0.003),CMS1(Hazard ratio[HR]3.85,p<0.017)と有意な調整ハザード比の増加を示した.
【結語】CMS分類は日本人で構成されたコホートにおいてもStage IV CRCの予後予測因子として有用である可能性が示唆された.