講演情報

[O8-2]ロボット支援下結腸切除における体腔内吻合手技と吻合後腹腔内洗浄液中細胞診・細菌培養の検討

内間 恭武1, 宮城 幹史2, 鹿川 大二郎1, 手登根 勇人1 (1.中部徳洲会病院消化器外科, 2.南部徳洲会病院外科)
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2022年4月にロボット支援下結腸癌手術が保険収載され,積極的に右側,横行,左側結腸に施行し2024年4月末現在72例の結腸癌に施行してきた.ロボット手術のアーム操作の利点として体腔内吻合は施行しやすく,最近のSystematic Reviewでもロボット手術が腹腔鏡手術より体腔内吻合率があがっており,体外吻合操作より時間はかかるが在院日数を減らすという報告が散見される.
周術期管理として術前日に機械的腸管処置および化学的腸管処置を行う.結腸癌のリンパ節郭清,支配血管処理,結腸腸管膜授動,口側肛門側腸管膜処理を行う.その後に吻合予定口側および肛門側腸管のICG赤外線による腸管血流評価をして,助手ポートより腹腔鏡手術用自動縫合器で結腸(回腸)を切離する.吻合は,原則Overlap吻合をしているが,吻合予定の腸管の向き(取り回し)を考えDelta吻合を行う場合もある.8cmの糸を挿入計測し,自動縫合器挿入口をあける.ガーゼおよび助手の吸引鉗子で腸液の腹腔内漏出を防止して縫合器で吻合.縫合器挿入口も最後縫合器で縫合閉鎖し吻合終了.吻合部周囲を含めて十分に腹腔内洗浄してinformation drainを留置し手術を終了している.
 2024年4月より体腔内吻合後の腹腔内洗浄液中(洗浄前・洗浄後)の細胞診,細菌培養を行っている.学会時点までに蓄積したデータを提示し,術後合併症や再発の指標になるかを検討する.