講演情報
[P7-2-3]Pouch related complicationに対してサルベージ手術を施行した3例
泉谷 祐甫, 荻野 崇之, 関戸 悠紀, 竹田 充伸, 波多 豪, 浜部 敦史, 三吉 範克, 植村 守, 土岐 祐一郎, 江口 英利 (大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学)
[はじめに]潰瘍性大腸炎(UC)におけるIleal pouch anal anastomosis(IPAA)術後に発生する合併症として,瘻孔や骨盤内膿瘍を来たすpouch related complication(PRC)があり,QOL低下を来す症例ではしばしばサルベージ手術が必要となる.術式は回腸瘻造設,redo IPAA,回腸嚢切除等があり,症例によって適切な術式選択を行う必要がある.今回PRCに対して回腸嚢切除術を施行した3例を経験したので報告する.
[症例1]30歳代男性.前医で急性劇症型UCに対してRestorative Proctocolectomy(RPC),IPAA,回腸瘻造設を施行.術後,縫合不全を認めたが保存治療で改善.回腸瘻閉鎖後2年目に肛門周囲膿瘍を発症し,回腸瘻再造設を施行.5年目に肛門痛出現.複雑瘻孔を認め,シートンドレナージを施行するも症状改善なく,当科紹介.回腸嚢切除術を施行し,病理組織学的検査で類上皮肉芽腫や全層性炎症を認め,クローン病に診断変更された.回腸嚢切除術後3年目現在,社会復帰され外来通院中.
[症例2]50歳代男性.18歳でUC診断され,ステロイド抵抗性であり,前医でRPC,IPAA,回腸瘻造設を施行.術後8カ月目に回腸瘻閉鎖され,その後安定していた.回腸瘻閉鎖後14年目に肛門痛出現.回腸嚢会陰部複雑瘻孔と診断され,回腸瘻再造設およびシートンドレナージを施行するも効果乏しく,当科紹介.回腸嚢切除術を施行し,切除標本で吻合部狭窄,回腸嚢輸入脚部狭窄を認めた.回腸嚢切除術後7年目現在,社会復帰され外来通院中.
[症例3]60歳代男性.既往歴に脳性麻痺(右片麻痺)あり.UC関連癌と診断され,肛門温存希望ありRPC,IPAA,回腸瘻造設を施行.管理良好のため,回腸瘻閉鎖を希望されず.術後1年目から,肛門からの粘液が増加し,QOL低下.Pouchscopyでは吻合部狭窄,瘻孔や回腸嚢炎は認めず.栄養指導により粘液量コントロールを試みるも改善乏しく,前回術後18月目に回腸嚢切除術を施行.術後QOL改善を認め,外来通院中.
[まとめ]IPAA術後にPRCやOQL低下を来し,回腸嚢切除術を施行した3例を経験した.
[症例1]30歳代男性.前医で急性劇症型UCに対してRestorative Proctocolectomy(RPC),IPAA,回腸瘻造設を施行.術後,縫合不全を認めたが保存治療で改善.回腸瘻閉鎖後2年目に肛門周囲膿瘍を発症し,回腸瘻再造設を施行.5年目に肛門痛出現.複雑瘻孔を認め,シートンドレナージを施行するも症状改善なく,当科紹介.回腸嚢切除術を施行し,病理組織学的検査で類上皮肉芽腫や全層性炎症を認め,クローン病に診断変更された.回腸嚢切除術後3年目現在,社会復帰され外来通院中.
[症例2]50歳代男性.18歳でUC診断され,ステロイド抵抗性であり,前医でRPC,IPAA,回腸瘻造設を施行.術後8カ月目に回腸瘻閉鎖され,その後安定していた.回腸瘻閉鎖後14年目に肛門痛出現.回腸嚢会陰部複雑瘻孔と診断され,回腸瘻再造設およびシートンドレナージを施行するも効果乏しく,当科紹介.回腸嚢切除術を施行し,切除標本で吻合部狭窄,回腸嚢輸入脚部狭窄を認めた.回腸嚢切除術後7年目現在,社会復帰され外来通院中.
[症例3]60歳代男性.既往歴に脳性麻痺(右片麻痺)あり.UC関連癌と診断され,肛門温存希望ありRPC,IPAA,回腸瘻造設を施行.管理良好のため,回腸瘻閉鎖を希望されず.術後1年目から,肛門からの粘液が増加し,QOL低下.Pouchscopyでは吻合部狭窄,瘻孔や回腸嚢炎は認めず.栄養指導により粘液量コントロールを試みるも改善乏しく,前回術後18月目に回腸嚢切除術を施行.術後QOL改善を認め,外来通院中.
[まとめ]IPAA術後にPRCやOQL低下を来し,回腸嚢切除術を施行した3例を経験した.