講演情報

[VWS2-3]当科におけるロボット支援結腸切除術の定型化と手術成績

高岡 亜弓, 柴野 潤, 貫井 聖人, 原田 紡, 山本 祥馬, 杉下 哲夫, 山本 雄大, 佐々木 恵, 花岡 まりえ, 山内 慎一, 絹笠 祐介 (東京科学大学消化管外科学分野)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【背景】当院では2017年9月にダヴィンチ Xiが導入され,ロボット支援結腸切除術は,院内高難度新規医療技術委員会の承認を得て,2019年1月より施行している.2022年4月に結腸癌に対するロボット支援手術が保険承認されて以降,当院ではすべての結腸癌をロボット支援手術の適応としており,手術手技の統一,定型化を行っている.
【方法】2019年1月から2024年4月に186例の原発性結腸癌に対し,ロボット支援結腸切除術を施行したので,患者背景,臨床病理学的因子,短期成績,長期成績を後方視的に検討し報告する.
【結果】年齢は71歳(31-91),男/女:103/83,病変部位はC/A/T/D/S:20/62/39/20/45,BMIは23.9(16.7-31.6)であった.術式は回盲部切除術/結腸右半切除術/結腸左半切除術/S状結腸切除術/結腸部分切除術/ハルトマン手術/結腸全摘術:17/86/28/43/6/2/4,他臓器合併切除は5例(尿管1例,膀胱2例,精管1例,小腸1例,卵巣1例,直腸1例)であった.手術時間は201分(83-540),出血量は0ml(0-830)であった.吻合法は体腔内overlap/体腔内DST/体腔内FEEA/体腔外FEEA:50/47/5/81であった.体腔内吻合については腹膜播種の危険性や腹腔内汚染などの欠点も報告されており,現在はその利点を享受できる高BMI症例や横行結腸中央部に腫瘍がある症例,内視鏡切除後追加腸切除症例などを対象としている.最終病理診断はpStage 0/I/II/III/IV:4/68/51/49/14,Stage IVを除く癌遺残R0/R1/R2:172/0/0であった.CD分類 GradeIII以上の合併症については,GradeIIIa:5例(吻合部出血:1例,イレウス管挿入:4例),GradeIIIb:2例(後出血:1例,イレウス:1例)であった.2019年1月から2021年4月に手術を施行した43例の長期成績を検討した.観察期間中央値は41ヵ月で,3年全生存率は94.5%,3年無再発生存率は87.4%であった.
【結語】当科におけるロボット支援結腸切除術は安全に施行された.今後さらに症例を積み重ね,短期成績,長期成績を検討していく.