講演情報
[O8-4]腹腔鏡下/ロボット支援右側結腸癌手術における体腔内吻合(Overlap法)の術後短期成績
徳原 克治1,3, 山本 紘基2, 山本 寛揮2, 吉田 真未2, 北野 友里絵2, 松木 仁美2, 魚住 のぞみ2, 吉田 明史3, 菱川 秀彦3 (1.医療法人徳洲会岸和田徳洲会病院下部消化管外科, 2.医療法人徳洲会岸和田徳洲会病院外科, 3.関西医科大学総合医療センター消化管外科)
【はじめに】近年腹腔鏡下右側結腸癌手術(lap RC)の再建法として,体腔内吻合(ICA)が普及してきているが,2022年にロボット支援(RA)結腸手術が保険収載以降,RA-ICAを導入する施設が増えつつある.当科でも2023年6月以降,RA-ICAを導入している.
【対象と方法】lap or RA-ICAを施行した49例(lap/RA:42/7例)を対象とし,2015/9~2019/11月までにlap RC時に体腔外吻合(ECA)を施行した群102例と術後短期成績について比較した.
【ICA手技】小開腹創経由で標本を摘出後,回腸切離部から2cm口側および結腸切離部から8cm肛門側の部位で自動縫合器にて順蠕動側々吻合を施行,共通孔はKnot-free suturing deviceを用いたAlbert-Lembert吻合にて閉鎖した(ICA-OM).
【結果】男女比20:29,年齢76歳,癌局在は虫垂/盲腸/上行結腸/横行結腸が1/7/35/6例で,全例に機械的・化学的腸管前処置を施行した.施行術式は回盲部/結腸右半/拡大結腸右半/横行結腸/結腸亜全摘(RA)が11(1)/33(6)/3/1/1例であった.手術時間218分,出血量8ml,術後経口摂取再開/初回排便/在院日数は2/3/8日,合併症は麻痺性イレウス/肝機能障害/低Na血症/乳び腹水を3/1/1/1例認めた.pStage 0/I/II//III/IVは6/13/10/16/4例であった.ECA群との比較では,ICA群では手術時間が長く(218:197分,p=0.003),術後在院日数(8:8日,P=0.004)は短かった.術後合併症発生率に差はなかったが(12.2:28.1%,P=0.09),ICA群ではClavien-Dindo GradeIII以上の合併症は認めなかった.
【まとめ】ECAに比しICA-OMは,手術時間は長くなるものの安全に施行可能で,腫瘍学的郭清範囲外の腸管剥離操作や血管処置が不要となるため,より低侵襲であると考えられた.
【対象と方法】lap or RA-ICAを施行した49例(lap/RA:42/7例)を対象とし,2015/9~2019/11月までにlap RC時に体腔外吻合(ECA)を施行した群102例と術後短期成績について比較した.
【ICA手技】小開腹創経由で標本を摘出後,回腸切離部から2cm口側および結腸切離部から8cm肛門側の部位で自動縫合器にて順蠕動側々吻合を施行,共通孔はKnot-free suturing deviceを用いたAlbert-Lembert吻合にて閉鎖した(ICA-OM).
【結果】男女比20:29,年齢76歳,癌局在は虫垂/盲腸/上行結腸/横行結腸が1/7/35/6例で,全例に機械的・化学的腸管前処置を施行した.施行術式は回盲部/結腸右半/拡大結腸右半/横行結腸/結腸亜全摘(RA)が11(1)/33(6)/3/1/1例であった.手術時間218分,出血量8ml,術後経口摂取再開/初回排便/在院日数は2/3/8日,合併症は麻痺性イレウス/肝機能障害/低Na血症/乳び腹水を3/1/1/1例認めた.pStage 0/I/II//III/IVは6/13/10/16/4例であった.ECA群との比較では,ICA群では手術時間が長く(218:197分,p=0.003),術後在院日数(8:8日,P=0.004)は短かった.術後合併症発生率に差はなかったが(12.2:28.1%,P=0.09),ICA群ではClavien-Dindo GradeIII以上の合併症は認めなかった.
【まとめ】ECAに比しICA-OMは,手術時間は長くなるものの安全に施行可能で,腫瘍学的郭清範囲外の腸管剥離操作や血管処置が不要となるため,より低侵襲であると考えられた.