講演情報

[O18-7]閉塞性大腸炎に対する大腸ステントの安全性,有効性,予後の検討

碓井 彰大, 小杉 千弘, 首藤 潔彦, 森 幹人, 野島 広之, 岡 義人, 岸田 浩輝, 山崎 将人, 清水 宏明, 幸田 圭史 (帝京大学ちば総合医療センター)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【はじめに】閉塞性大腸炎を来す大腸癌に対する手術を前提としたステント挿入は,緊急手術を回避することが可能であるが,一方で穿孔,出血などのリスクがある.当科では2013年以前は経肛門イレウス管による減圧を行っていたが,それ以降はステントによる閉塞性解除処置を行っている.
 【目的】大腸ステントの安全性,有効性,予後について検討した.
 【対象】2013年から2022年までの期間に大腸癌による閉塞性大腸炎と診断し,ステント治療を行った48例.
 【結果】年齢は平均70歳,男性27例,女性21例,大腸癌が29例,直腸癌が19例であった.ステージはpStageII/IIIa/IIIb/IV:17/9/14/8であった.安全性について,穿孔が1例(2.1%),出血が0例(0%)であった.有効性について,拡張不十分の症例が4例(8.3%)あったが,41例(85.4%)が3日以内に食事摂取可能であった.予後は5年RFSが68.8%であり,経肛門イレウス管で減圧した治療群(61.8%)より若干上回る成績であった.
 【結語】ステント治療は安全性も許容でき,経肛門イレウス管の治療群と比較しても遜色ないため,有効な治療法といえる.