講演情報
[O23-7]進行再発大腸癌に対するFOLFIRI(irinotecan日本標準量:150mg/m2)+ramucirumab療法(Study rindo):最終解析結果
服部 憲史1, 中山 吾郎1, 室谷 健太2, 梅田 晋一1, 岸田 貴喜1, 武田 重臣3, 江坂 和大4, 筒山 将之5, 阪井 満6, 服部 正嗣7, 伊藤 武8, 神田 光郎1, 田中 千恵1, 安藤 昌彦9, 小寺 泰弘1 (1.名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学, 2.久留米大学バイオ統計センター, 3.公立陶生病院, 4.市立四日市病院, 5.小牧市民病院, 6.一宮市立市民病院, 7.名古屋医療センター, 8.豊橋医療センター, 9.名古屋大学医学部附属病院先端医療開発部データセンター)
【目的】日本人転移性大腸癌患者に対する2次治療として,FOLFIRI(irinotecan日本標準量:150mg/m2)+ramucirumab(RAM)療法の有効性と安全性を評価することを目的に多施設共同臨床第II相試験を行った.
【対象と方法】切除不能・進行再発大腸癌患者を対象として,FOLFIRI(低用量irinotecan:150mg/m2)+ramucirumab療法を2週間毎に施行.主要評価項目は,無増悪生存期間(PFS),副次評価項目は,全生存期間(OS),治療成功期間(TTF),奏効率,相対容量強度(RDI),有害事象発生率とした.
【結果】2018年1月から2021年8月の間に15施設から62例が登録された.観察期間中央値:16.4ヶ月,病状増悪確認:53例(86.8%),死亡確認:52例(85.2%)の時点で解析を行った.患者背景として,年齢(中央値)は69歳,原発巣部位は右側:25%,左側:75%,RAS statusは野生型:48%,変異型:52%,1次治療における併用分子標的薬はBevacizumab:72%,抗EGFR抗体薬:28%,転移臓器数は2臓器以上:57%で,転移部位は,肝転移が61%と最も多く,次いで肺転移であった.有効性:PFS中央値(95%CI)は5.9ヶ月(4.8 - 6.9),OS中央値(95%CI)は17.0ヶ月(12.0 - 21.0)であった.奏効率については,CR例は認めず,全奏効率:8%,病勢コントロール率:74%であった.治療コンプライアンス:TTF中央値(95% CI)は4.8ヵ月(3.2 - 5.9),治療中止理由は,病状進行:67%,有害事象による中止:16%であった.治療回数中央値(範囲)は8回(1 - 27),RDI中央値は,Bolus FU:50.5%,Infusion FU:74.5%,Irinotecan:73.8%,RAM:80.8%であった.安全性:Grade 3以上の血液毒性は,25例(43%)に認め,好中球数減少:40%,発熱性好中球減少症:6.9%であった.Grade 3以上の非血液毒性は,19例(33%)に認め,消化器毒性として食欲不振:10%,下痢:8.6%,RAM関連有害事象として,高血圧:6.8%,蛋白尿:3.4%であった.
【結語】日本人転移性大腸癌患者に対する2次治療として,FOLFIRI(irinotecan日本標準量:150mg/m2)+ramucirumab療法は有効である可能性が示唆された.
【対象と方法】切除不能・進行再発大腸癌患者を対象として,FOLFIRI(低用量irinotecan:150mg/m2)+ramucirumab療法を2週間毎に施行.主要評価項目は,無増悪生存期間(PFS),副次評価項目は,全生存期間(OS),治療成功期間(TTF),奏効率,相対容量強度(RDI),有害事象発生率とした.
【結果】2018年1月から2021年8月の間に15施設から62例が登録された.観察期間中央値:16.4ヶ月,病状増悪確認:53例(86.8%),死亡確認:52例(85.2%)の時点で解析を行った.患者背景として,年齢(中央値)は69歳,原発巣部位は右側:25%,左側:75%,RAS statusは野生型:48%,変異型:52%,1次治療における併用分子標的薬はBevacizumab:72%,抗EGFR抗体薬:28%,転移臓器数は2臓器以上:57%で,転移部位は,肝転移が61%と最も多く,次いで肺転移であった.有効性:PFS中央値(95%CI)は5.9ヶ月(4.8 - 6.9),OS中央値(95%CI)は17.0ヶ月(12.0 - 21.0)であった.奏効率については,CR例は認めず,全奏効率:8%,病勢コントロール率:74%であった.治療コンプライアンス:TTF中央値(95% CI)は4.8ヵ月(3.2 - 5.9),治療中止理由は,病状進行:67%,有害事象による中止:16%であった.治療回数中央値(範囲)は8回(1 - 27),RDI中央値は,Bolus FU:50.5%,Infusion FU:74.5%,Irinotecan:73.8%,RAM:80.8%であった.安全性:Grade 3以上の血液毒性は,25例(43%)に認め,好中球数減少:40%,発熱性好中球減少症:6.9%であった.Grade 3以上の非血液毒性は,19例(33%)に認め,消化器毒性として食欲不振:10%,下痢:8.6%,RAM関連有害事象として,高血圧:6.8%,蛋白尿:3.4%であった.
【結語】日本人転移性大腸癌患者に対する2次治療として,FOLFIRI(irinotecan日本標準量:150mg/m2)+ramucirumab療法は有効である可能性が示唆された.