講演情報
[SR1-1]当院におけるロボット支援結腸手術の定型化までの工夫と今後の課題
田子 友哉, 林 くらら, 松本 慈, 小坂 亜優, 筋野 博喜, 福島 元太郎, 有働 竜太郎, 笠原 健大, 真崎 純一, 石崎 哲央, 永川 裕一 (東京医科大学消化器・小児外科学分野)
【背景】当院では2022年8月よりロボット支援下結腸手術を導入し,ロボット支援直腸切除の知見を活かして2024年3月までに113例を経験した.導入以後,手術の安全の担保と質の向上のためポート配置,手順,使用機器の選択の最適化を経て定型化し,術野が上下腹部骨盤に及ぶような同時性多発大腸癌に対しても症例に応じて工夫し手術を施行している.この過程で見えた課題とその対応について提示する.1つ目が手術自体の変化であり,術野の広範囲化や術野またぎ,surgical trunkやMCA領域の操作といった郭清操作の重きの増加であり,これに対してポート配置や手順の工夫と胃や肝胆膵領域で用いられるdouble bipolar法の導入などを行った.また,ロボット手術と親和性の高い体腔内吻合の定型化も行い,主にデルタ吻合とoverlap吻合を行っている.2つ目はコストであり,術式によらず保険点数が一律で体腔内吻合も主な選択肢となる結腸手術ではコストは無視できず,症例の蓄積とともにLCS,自動縫合器,クリップなど従来腹腔鏡手術の機械を適切に選択し代替あるいは併用してきた,3つ目は教育であり,若手外科医の執刀さらには助手機会の減少に対して助手参加型ロボット支援手術(RAS-AP)を導入した.従来腹腔鏡手術手技の獲得を目的に,ロボットを用いた従来手術を再現した教育も行っている.
【短期成績】病変局在の内訳はV/C/A/T/D/S=2/24/27/20/9/31例,術式はICR・PCR(A)/RHC/TCR/LHC・PCR(D)/SCR/Hartmann・結腸全摘=47/17/6/10/26/5/2例,郭清はD2/D3=31/82例,吻合は体腔外35例(FEEA/デルタ:34例/1例),体腔内44例(デルタ/overlap/FEEA:29例/14例/1例),DST29例であった.手術時間234min(144-636),コンソール時間144min(66-377),出血量23ml(1-623),PM 65mm(10-405)/DM 70mm(10-265),Conversion 4例,CD3以上の術後合併症4例,縫合不全0例,術後在院日数10日(6-45),p-stage0/I/II/III/IV/その他=5/28/36/33/19例/1例であった.
【結語】我々が経験してきた定型化やコスト削減の工夫,double bipolar法,教育におけるRAS-APの活用について動画を供覧し,今後の課題と合わせて報告する.
【短期成績】病変局在の内訳はV/C/A/T/D/S=2/24/27/20/9/31例,術式はICR・PCR(A)/RHC/TCR/LHC・PCR(D)/SCR/Hartmann・結腸全摘=47/17/6/10/26/5/2例,郭清はD2/D3=31/82例,吻合は体腔外35例(FEEA/デルタ:34例/1例),体腔内44例(デルタ/overlap/FEEA:29例/14例/1例),DST29例であった.手術時間234min(144-636),コンソール時間144min(66-377),出血量23ml(1-623),PM 65mm(10-405)/DM 70mm(10-265),Conversion 4例,CD3以上の術後合併症4例,縫合不全0例,術後在院日数10日(6-45),p-stage0/I/II/III/IV/その他=5/28/36/33/19例/1例であった.
【結語】我々が経験してきた定型化やコスト削減の工夫,double bipolar法,教育におけるRAS-APの活用について動画を供覧し,今後の課題と合わせて報告する.