講演情報
[R19-2]痔核に対するPartial Stapled Hemorrhoidectomy(PSH)
高野 正太, 伊禮 靖苗, 中村 寧, 吉元 崇文, 玉岡 滉平, 辻 順行 (大腸肛門病センター高野病院肛門科)
痔核に対しての手術療法は長くLigation and Excisionが行われてきた.PPH(Procedure for Prolapse and Hemorrhoid)は疼痛が少なく簡便に行える治療法として本邦に導入されたが狭窄などの合併症やALTAの出現によって浸透しなかった.海外では使用する肛門鏡を改良したPSHが良好な成績を認めている.PPHは全周性に粘膜を切除し引き上げるが,PSHは痔核を切除しその間の粘膜は温存する方法である.
【術式】腰椎麻酔下Jackknife体位で開始.3つのスリットが入った肛門鏡を肛門管に挿入し痔核がスリットから顔を出すように位置させる.糸をそれぞれの痔核上極付近の粘膜下にかけ巾着縫合を行うが,スリット以外の部分の粘膜は切除されないこととなる.アンビルヘッドを痔核上極より高位に位置するよう挿入する.巾着縫合糸をアンビルシャフトに結び痔核を中心に集める.ステイプルシャフトを通して縫合しを引っ張りながらステイプラーをファイヤし痔核を切除縫合する.ステイプラーを引き抜き,出血予防のため縫合部を吸収糸で結紮する.
【検討方法】2019年6月より2023年6月までに行った症例50例の術後経過を後ろ向きに検討した.平均観察期間は110日であった.
【症例】男性29名,女性21名,平均年齢64.5歳.Goligher分類II度16例,III度34例.平均手術時間31.0分.平均在院日数3.7日.術後処置を要した出血を2例認めたがいずれもスキンタグ切除部であった.現時点で狭窄や再発は認めていない.
【まとめ】海外の報告ではPSHの再発率は3.4%と報告されており,LEに比べて高いがALTAに比べると低い.入院期間も日帰りから3泊程度で行われLEに比較すると短い.LEとALTAの中間に位置づけられる方法と考えられる.
【術式】腰椎麻酔下Jackknife体位で開始.3つのスリットが入った肛門鏡を肛門管に挿入し痔核がスリットから顔を出すように位置させる.糸をそれぞれの痔核上極付近の粘膜下にかけ巾着縫合を行うが,スリット以外の部分の粘膜は切除されないこととなる.アンビルヘッドを痔核上極より高位に位置するよう挿入する.巾着縫合糸をアンビルシャフトに結び痔核を中心に集める.ステイプルシャフトを通して縫合しを引っ張りながらステイプラーをファイヤし痔核を切除縫合する.ステイプラーを引き抜き,出血予防のため縫合部を吸収糸で結紮する.
【検討方法】2019年6月より2023年6月までに行った症例50例の術後経過を後ろ向きに検討した.平均観察期間は110日であった.
【症例】男性29名,女性21名,平均年齢64.5歳.Goligher分類II度16例,III度34例.平均手術時間31.0分.平均在院日数3.7日.術後処置を要した出血を2例認めたがいずれもスキンタグ切除部であった.現時点で狭窄や再発は認めていない.
【まとめ】海外の報告ではPSHの再発率は3.4%と報告されており,LEに比べて高いがALTAに比べると低い.入院期間も日帰りから3泊程度で行われLEに比較すると短い.LEとALTAの中間に位置づけられる方法と考えられる.