講演情報
[P12-1-4]85歳以上の高齢者に対する大腸癌切除症例の検討
古屋 一茂, 渡邊 英樹 (山梨県立中央病院)
【背景】人口の高齢化に伴い,85歳以上の超高齢者の大腸癌症例に対する手術数が増加しているが,その安全性と予後については明らかではない.
【目的】85歳以上の超高齢者大腸癌に対する手術の安全性と予後を検討する.
【対象】2005年~2021年までに原発巣を切除した大腸癌2236例から粘膜内癌,多発癌及び重複癌既往例と緊急手術症例を除外した75歳以上の高齢者.
【方法】75歳以上84歳未満の高齢者(高齢者群)と85歳以上の超高齢者(超高齢者群)の2群に分け,臨床病理学的因子と短期長期成績について比較検討し,生存曲線はKaplan-Meier法を用いて,2群間の比較はlog-rank testを行い検討した.
【結果】高齢者群は527例,超高齢者群は144例であった.高齢者群/超高齢者群で男性:54.6/48.6(%),ASA-PS≧3:16.1/20.8(%),局在において結腸(RS直腸含む):79.9/88.9(%)超高齢者群で高値(p=0.0149).腹腔鏡下手術は高齢者群/超高齢者群:33.5/34.7(%)で,ロボット支援下は5/1(例)に行われた.D3郭清は高齢者群/超高齢者群:57.5/41.7(%)で,超高齢者群で低値(p=0.001).手術時間,出血量に両群間に有意差はなく,Clavien-Dindo分類≧IIの術後合併症も高齢者群/超高齢者群:18.6/19.4(%)に有意差を認めなかった.術後在院日数は中央値で両群ともに13日であった.術後補助化学療法について高齢者群は,65例(12.3%)に実施されたが,超高齢者群では実施されていなかった.Stage別の3年全生存率で両群間に有意差を認めなかったが,StageIIにおいて超高齢群が低い傾向であった90.9/80.6(%)(p=0.06).一方StageIIにおける高齢者群/超高齢者群の3年無再発生存率80.2/76.6(%)と,3年癌特異的生存率98.1/97.0(%)に有意差を認めなかった.
【結語】85歳以上の超高齢者おいて待機的大腸癌手術は75歳以上84歳までの高齢者と比較して,安全に施行可能であり,他病死を除けば同等の予後が期待できると思われた.
【目的】85歳以上の超高齢者大腸癌に対する手術の安全性と予後を検討する.
【対象】2005年~2021年までに原発巣を切除した大腸癌2236例から粘膜内癌,多発癌及び重複癌既往例と緊急手術症例を除外した75歳以上の高齢者.
【方法】75歳以上84歳未満の高齢者(高齢者群)と85歳以上の超高齢者(超高齢者群)の2群に分け,臨床病理学的因子と短期長期成績について比較検討し,生存曲線はKaplan-Meier法を用いて,2群間の比較はlog-rank testを行い検討した.
【結果】高齢者群は527例,超高齢者群は144例であった.高齢者群/超高齢者群で男性:54.6/48.6(%),ASA-PS≧3:16.1/20.8(%),局在において結腸(RS直腸含む):79.9/88.9(%)超高齢者群で高値(p=0.0149).腹腔鏡下手術は高齢者群/超高齢者群:33.5/34.7(%)で,ロボット支援下は5/1(例)に行われた.D3郭清は高齢者群/超高齢者群:57.5/41.7(%)で,超高齢者群で低値(p=0.001).手術時間,出血量に両群間に有意差はなく,Clavien-Dindo分類≧IIの術後合併症も高齢者群/超高齢者群:18.6/19.4(%)に有意差を認めなかった.術後在院日数は中央値で両群ともに13日であった.術後補助化学療法について高齢者群は,65例(12.3%)に実施されたが,超高齢者群では実施されていなかった.Stage別の3年全生存率で両群間に有意差を認めなかったが,StageIIにおいて超高齢群が低い傾向であった90.9/80.6(%)(p=0.06).一方StageIIにおける高齢者群/超高齢者群の3年無再発生存率80.2/76.6(%)と,3年癌特異的生存率98.1/97.0(%)に有意差を認めなかった.
【結語】85歳以上の超高齢者おいて待機的大腸癌手術は75歳以上84歳までの高齢者と比較して,安全に施行可能であり,他病死を除けば同等の予後が期待できると思われた.