講演情報
[VPD5-6]IIL型痔瘻の細分類と治療戦略
河野 洋一, 宮島 伸宜, 岡本 康介, 下島 裕寛, 松村 奈緒美, 彦坂 吉興, 紅谷 鮎美, 松島 小百合, 酒井 悠, 小菅 経子, 鈴木 佳透, 米本 昇平, 佐井 佳世, 宋 江楓, 國場 幸均, 黒水 丈次, 松島 誠 (松島病院大腸肛門病センター)
痔瘻の病型診断は必要である.当院では痔瘻の補助診断に経肛門的超音波検査を活用している.瘻管の走行,原発口の位置,肛門括約筋との関係,炎症が落ち着いた細い瘻管になっているか,まだ膿瘍腔が残存しているか,瘻管が枝分かれしていないか,特に深部の枝分かれの有無,等の情報を得ている.膿瘍がある場合は積極的に切開排膿術を行うが,深部の膿瘍腔が線維化していると縮小させるのが困難である.痔瘻根治手術の際は,痔瘻の病型だけでなく,消炎が得られているか(膿瘍腔残存の有無),痔瘻の方向(後方か前側方か),肛門括約筋機能も考慮し,術式を選択している.肛門後方の浅い痔瘻であれば,瘻管開放術を選択することが多いが,肛門括約筋機能低下例では,括約筋温存手術を選択する.肛門前側方の痔瘻であれば,括約筋温存手術を選択するが,膿瘍腔が残存していれば,選択できない場合もある.当院では括約筋温存手術としてFPOT(Functional Preservative Operative Technique)を行っている.今回,痔瘻の超音波画像・治療戦略・手術手技のビデオを供覧する.