講演情報
[O22-6]当科でのロボット支援下右側結腸切除術導入の実際と安全性の検討
岩本 博光, 松田 健司, 三谷 泰之, 中村 有貴, 上田 勝也, 兵 貴彦, 下村 和輝, 川井 学 (和歌山県立医科大学第2外科)
《緒言》
当科では2019年3月より直腸癌に対するロボット支援下手術を導入し,これまでに120例の症例を経験してきた.そして2023年4月から結腸癌に対するロボット支援下手術を導入し,11例の症例を経験した.
その過程で術後合併症を軽減する術式を考える中で,これからの新たな課題も見つけた.今回はわれわれの取り組みの実際を動画と共に提示し,今後のロボット支援下大腸癌手術について検討する.
《対象と方法》
2023年4月から12月に当科で右側結腸癌に対しロボット支援下手術を施行した11症例を対象とし,各患者因子,手術因子などについて安全性を中心に検討した.
《結果》
男性/女性は8/3であり,年齢の中央値は74±8.4歳,BMIの中央値は23.2±3.0であった.部位はC/Aがそれぞれ3例/8例であった.術式はすべて右側結腸切除術であり,手術時間の中央値は259±66.9 min,出血量の中央値は35±91.7 mlであった.術後退院までの日数の中央値は11±4.8日であった.
Clavian-Dindo分類grade III以上の早期合併症としては,grade IIIaの麻痺性イレウスを1例に認めた.この症例はBMI 25を初めての超えており,手術中は小腸のコントロールに難渋し,その結果手術中頻回に小腸に接触することになった.そこで続く2症例ではロボットを離脱し,体位変換を行った.一定の効果は認めたが,その一方で助手との連携で体位変換せずに小腸のコントロールが行えることが分かり,以降はドッキングは最初の1回のみで手術を完遂しており,手術時間の短縮の大きな要因となった.
全手術時間,コンソール時間は全体的には症例を経るごとに短縮していく傾向を認めたが,ドッキング時間は大きな変化は認めなかった.出血量は手術時間との関連が示唆されたが,症例を経ても大きな変化は認めなかった.また全手術時間はBMIとの関連が示唆されたが,出血量は特には認めなかった.
《結語》
gradeIII以上の合併症は1例のみで,ロボット支援下結腸癌の手術の初期11例を終了した.今後は大腸癌に対する重要な術式として,体腔内吻合などと共に取り組んでいく.その際に安全性及び腫瘍学的な有効性についても検討していく.
当科では2019年3月より直腸癌に対するロボット支援下手術を導入し,これまでに120例の症例を経験してきた.そして2023年4月から結腸癌に対するロボット支援下手術を導入し,11例の症例を経験した.
その過程で術後合併症を軽減する術式を考える中で,これからの新たな課題も見つけた.今回はわれわれの取り組みの実際を動画と共に提示し,今後のロボット支援下大腸癌手術について検討する.
《対象と方法》
2023年4月から12月に当科で右側結腸癌に対しロボット支援下手術を施行した11症例を対象とし,各患者因子,手術因子などについて安全性を中心に検討した.
《結果》
男性/女性は8/3であり,年齢の中央値は74±8.4歳,BMIの中央値は23.2±3.0であった.部位はC/Aがそれぞれ3例/8例であった.術式はすべて右側結腸切除術であり,手術時間の中央値は259±66.9 min,出血量の中央値は35±91.7 mlであった.術後退院までの日数の中央値は11±4.8日であった.
Clavian-Dindo分類grade III以上の早期合併症としては,grade IIIaの麻痺性イレウスを1例に認めた.この症例はBMI 25を初めての超えており,手術中は小腸のコントロールに難渋し,その結果手術中頻回に小腸に接触することになった.そこで続く2症例ではロボットを離脱し,体位変換を行った.一定の効果は認めたが,その一方で助手との連携で体位変換せずに小腸のコントロールが行えることが分かり,以降はドッキングは最初の1回のみで手術を完遂しており,手術時間の短縮の大きな要因となった.
全手術時間,コンソール時間は全体的には症例を経るごとに短縮していく傾向を認めたが,ドッキング時間は大きな変化は認めなかった.出血量は手術時間との関連が示唆されたが,症例を経ても大きな変化は認めなかった.また全手術時間はBMIとの関連が示唆されたが,出血量は特には認めなかった.
《結語》
gradeIII以上の合併症は1例のみで,ロボット支援下結腸癌の手術の初期11例を終了した.今後は大腸癌に対する重要な術式として,体腔内吻合などと共に取り組んでいく.その際に安全性及び腫瘍学的な有効性についても検討していく.