講演情報
[O23-6]大腸癌肺転移に対するラジオ波焼灼療法(RFA)の治療成績
日吉 幸晴1, 大内 繭子1, 問端 輔1, 小澄 敬祐1, 江藤 弘二郎1, 井田 智1, 岩槻 政晃1, 馬場 祥史1, 河中 功一2, 平井 俊範2, 宮本 裕士1 (1.熊本大学消化器外科, 2.熊本大学画像診断治療科)
【はじめに】大腸癌肺転移の局所治療として肺切除の良好な成績が示されているが,高齢者や低肺機能者など肺切除がリスクとなる場合がある.当院では,そのような症例に対してCTガイド下ラジオ波焼灼療法(RFA)を行っており,最近では,RFA困難病変が混在する場合にRFAと肺切除や放射線治療を組み合わせたHybrid治療も行っている.
【方法】2005年8月から2023年11月までに大腸癌肺転移に対してCTガイド下RFAを施行した67症例(うち13例はHybrid治療)を対象とし,retrospectiveに短期,長期成績を解析した.
【結果】大腸癌肺転移67症例273病変にRFAを行った.対象の年齢(中央値)は65(34-83)歳,性別は男性/女性:42/25.肺転移は同時性/異時性:12/55,両側/片側:30/37,原発は右側結腸/左側結腸/直腸:12/21/34.肺病変の最大径(中央値)は10(4-34)mmで,同時治療個数(中央値)は2(1-16)個であった.RFA困難病変に対するHybrid症例は,11例で肺切除+RFA,2例で定位放射線治療+RFAを行い,局所コントロールが可能であった.RFA後合併症として,ドレーン留置が必要な気胸を25%に認めた.RFA後観察期間(中央値)は26ヶ月であった.RFA後の肺内再発を43/67(64%)に認めたが,RFA治療部位再発は7例(10%)であった(局所コントロール率:90%).肺再発に対する再RFAを22例(33%)に行った.(治療回数2-12回).3年無増悪生存率(PFS),PFS中央値はそれぞれ13%,7.2ヶ月で,5年全生存率(OS),OS中央値はそれぞれ73%,70ヶ月であった.RFA時肺外転移あり,CEA>5(ng/mg),肺転移サイズ15mm以上の3因子がOSの独立予後不良因子であった.
【結論】大腸癌肺転移に対するCTガイド下RFAは安全に施行可能で,ハイリスク症例に対する低侵襲かつ効果的な治療選択肢になりうる.また,RFA後肺再発に対する繰り返し治療や,RFA困難病変に対するHybrid治療の有効性が示唆された.
【方法】2005年8月から2023年11月までに大腸癌肺転移に対してCTガイド下RFAを施行した67症例(うち13例はHybrid治療)を対象とし,retrospectiveに短期,長期成績を解析した.
【結果】大腸癌肺転移67症例273病変にRFAを行った.対象の年齢(中央値)は65(34-83)歳,性別は男性/女性:42/25.肺転移は同時性/異時性:12/55,両側/片側:30/37,原発は右側結腸/左側結腸/直腸:12/21/34.肺病変の最大径(中央値)は10(4-34)mmで,同時治療個数(中央値)は2(1-16)個であった.RFA困難病変に対するHybrid症例は,11例で肺切除+RFA,2例で定位放射線治療+RFAを行い,局所コントロールが可能であった.RFA後合併症として,ドレーン留置が必要な気胸を25%に認めた.RFA後観察期間(中央値)は26ヶ月であった.RFA後の肺内再発を43/67(64%)に認めたが,RFA治療部位再発は7例(10%)であった(局所コントロール率:90%).肺再発に対する再RFAを22例(33%)に行った.(治療回数2-12回).3年無増悪生存率(PFS),PFS中央値はそれぞれ13%,7.2ヶ月で,5年全生存率(OS),OS中央値はそれぞれ73%,70ヶ月であった.RFA時肺外転移あり,CEA>5(ng/mg),肺転移サイズ15mm以上の3因子がOSの独立予後不良因子であった.
【結論】大腸癌肺転移に対するCTガイド下RFAは安全に施行可能で,ハイリスク症例に対する低侵襲かつ効果的な治療選択肢になりうる.また,RFA後肺再発に対する繰り返し治療や,RFA困難病変に対するHybrid治療の有効性が示唆された.