講演情報
[P23-1-2]子宮脱を合併した直腸脱に対して腹腔鏡下直腸固定術と仙骨膣固定術を同時に行った1例
松波 光志朗1, 本郷 久美子1, 武田 和真2, 佐子 英梨子1, 松尾 一優1, 大谷 理紗1, 室井 貴子1, 西村 英理香1, 原 明日香1, 林 啓太1, 田島 佑樹1, 金子 靖1, 藤崎 洋人1, 葉 季久雄1, 米山 公康1, 澤田 康弘2, 中川 基人1, 高野 公徳1 (1.平塚市民病院外科, 2.平塚市民病院泌尿器科)
【緒言】直腸脱に対する腹腔鏡下直腸固定術はその低侵襲性や再発率の低さから広く普及しており,2012年4月より保険収載されている.また子宮脱をはじめとした骨盤臓器脱に関しては婦人科や泌尿器科にて再発率の低い腹腔鏡下仙骨膣固定術を施行する施設が多い.
【症例】74歳女性,肛門痛を主訴に前医受診し,子宮脱を合併する直腸脱の診断で紹介受診となった.初診時身体所見では,直腸は肛門外へ10cmほどの脱出を認め,会陰部より完全子宮脱(Pelvic organ quantification(POP-Q):StageIV)も認めた.徒手環納はなんとか可能であったが,容易に再脱出を認め,脱出した際には排尿困難感も自覚していた.泌尿器科とも相談し,外科・泌尿器科合同で腹腔鏡下での一期的修復術の方針とした.術式は腹腔鏡下直腸固定術(Wells変法)+仙骨膣固定術を施行した.手術時間5時間47分,出血量60mgであった.術後経過良好で術後7日で自宅退院となっている.
【考察】直腸脱,骨盤臓器脱に対する外科的治療は大きく経会陰手術と経腹手術に分けられるが,本例のように双方合併している場合には再発率の低さ,低侵襲性において,腹腔鏡下手術は良い適応と考える.しかし領域横断的な手術となり,外科・泌尿器科ともに鏡視下手術の熟練が必要となる.医学中央雑誌で検索すると,本邦での骨盤臓器脱を合併した直腸脱に対しての一期的腹腔鏡下修復術の報告は5論文13例と多くなく,今後更なる症例集積と手術手技の定型化が望まれる.
【結語】今回我々は子宮脱を合併した直腸脱に対して,泌尿器科と合同で腹腔鏡下に一期的修復術を施行したため,若干の文献的考察を加え報告する.
【症例】74歳女性,肛門痛を主訴に前医受診し,子宮脱を合併する直腸脱の診断で紹介受診となった.初診時身体所見では,直腸は肛門外へ10cmほどの脱出を認め,会陰部より完全子宮脱(Pelvic organ quantification(POP-Q):StageIV)も認めた.徒手環納はなんとか可能であったが,容易に再脱出を認め,脱出した際には排尿困難感も自覚していた.泌尿器科とも相談し,外科・泌尿器科合同で腹腔鏡下での一期的修復術の方針とした.術式は腹腔鏡下直腸固定術(Wells変法)+仙骨膣固定術を施行した.手術時間5時間47分,出血量60mgであった.術後経過良好で術後7日で自宅退院となっている.
【考察】直腸脱,骨盤臓器脱に対する外科的治療は大きく経会陰手術と経腹手術に分けられるが,本例のように双方合併している場合には再発率の低さ,低侵襲性において,腹腔鏡下手術は良い適応と考える.しかし領域横断的な手術となり,外科・泌尿器科ともに鏡視下手術の熟練が必要となる.医学中央雑誌で検索すると,本邦での骨盤臓器脱を合併した直腸脱に対しての一期的腹腔鏡下修復術の報告は5論文13例と多くなく,今後更なる症例集積と手術手技の定型化が望まれる.
【結語】今回我々は子宮脱を合併した直腸脱に対して,泌尿器科と合同で腹腔鏡下に一期的修復術を施行したため,若干の文献的考察を加え報告する.