講演情報
[P18-2-4]閉塞性結腸癌に対するSEMSとロボット支援手術を基軸とした治療戦略
髙橋 広城, 浅井 宏之, 上原 崇平, 藤井 善章, 加藤 瑛, 渡部 かをり, 牛込 創, 鈴木 卓弥, 三井 章, 瀧口 修司 (名古屋市立大学消化器外科)
(はじめに)
閉塞を伴う結腸癌に対する治療法は,腫瘍の部位・患者の状況などによって多くの選択肢があり,治療法は定まっていない.当院ではSEMSによる減圧の後にロボット支援手術による根治術を行うことを第一選択としている.
(目的)
当院における閉塞性結腸癌に対するSEMSとロボット支援手術を基軸とした治療法の短期成績を検討し,その有用性・問題点を検証する.
(方法)
2020年4月から2024年3月までに当院で施行したロボット支援結腸悪性腫瘍手術のなかから閉塞性結腸癌症例を抽出し,その短期成績をSEMS群/非SEMS群に分けて後ろ向きに検討する.
(結果)
同期間に170例のロボット支援結腸悪性腫瘍手術を施行した.その中で術前閉塞を認めた症例は25例であり,減圧法としてSEMSが20例,ストーマが5例に施行されていた.SEMSは全例において予定通り留置され,減圧後に定期手術が施行されていた.ストーマ造設例は全例T4b症例であり,化学療法後に根治手術が施行されていた.このストーマ造設症例を除いたSEMS群20例と非SEMS群145例を比較した.
SEMS群/非SEMS群における手術時間中央値はそれぞれ328分/257.5分,出血量中央値は27ml/29mlで両群間に優位差を認めなかった.術後合併症(CD分類G-III以上)はSEMS群/非SEMS群でそれぞれ0例(0%)/3例(2%)に発生し,この点においても有意差を認めなかった.
(考察)
SEMSは留置に伴う合併症が低率で減圧が確実であり,予定したロボット支援手術を行うことが可能であり,術後の合併症も低率であった.しかし回盲部付近に発生した症例では留置が困難であり,多くの症例で経鼻イレウス管が留置され,緊急手術として腹腔鏡手術が施行されていた.
(結語)
閉塞性結腸癌に対するSEMSによる減圧術とロボット支援手術の組み合わせは相性がよく,今後さらに増加していく事が予想される.しかし長期予後に関して慎重な経過観察が必要である.
閉塞を伴う結腸癌に対する治療法は,腫瘍の部位・患者の状況などによって多くの選択肢があり,治療法は定まっていない.当院ではSEMSによる減圧の後にロボット支援手術による根治術を行うことを第一選択としている.
(目的)
当院における閉塞性結腸癌に対するSEMSとロボット支援手術を基軸とした治療法の短期成績を検討し,その有用性・問題点を検証する.
(方法)
2020年4月から2024年3月までに当院で施行したロボット支援結腸悪性腫瘍手術のなかから閉塞性結腸癌症例を抽出し,その短期成績をSEMS群/非SEMS群に分けて後ろ向きに検討する.
(結果)
同期間に170例のロボット支援結腸悪性腫瘍手術を施行した.その中で術前閉塞を認めた症例は25例であり,減圧法としてSEMSが20例,ストーマが5例に施行されていた.SEMSは全例において予定通り留置され,減圧後に定期手術が施行されていた.ストーマ造設例は全例T4b症例であり,化学療法後に根治手術が施行されていた.このストーマ造設症例を除いたSEMS群20例と非SEMS群145例を比較した.
SEMS群/非SEMS群における手術時間中央値はそれぞれ328分/257.5分,出血量中央値は27ml/29mlで両群間に優位差を認めなかった.術後合併症(CD分類G-III以上)はSEMS群/非SEMS群でそれぞれ0例(0%)/3例(2%)に発生し,この点においても有意差を認めなかった.
(考察)
SEMSは留置に伴う合併症が低率で減圧が確実であり,予定したロボット支援手術を行うことが可能であり,術後の合併症も低率であった.しかし回盲部付近に発生した症例では留置が困難であり,多くの症例で経鼻イレウス管が留置され,緊急手術として腹腔鏡手術が施行されていた.
(結語)
閉塞性結腸癌に対するSEMSによる減圧術とロボット支援手術の組み合わせは相性がよく,今後さらに増加していく事が予想される.しかし長期予後に関して慎重な経過観察が必要である.