講演情報
[P4-1-3]当院における大腸癌体腔内吻合導入後の検討
名幸 義仁, 内山 清, 山条 純基 (洛和会丸太町病院外科)
【はじめに】近年,大腸癌手術における体腔内吻合が急速に広まりつつあり報告例も増加している.有用性の報告が多い一方で,膿瘍や腹膜播種への懸念,手術時間延長などの不利益な点も存在し,導入初期段階での報告例は少ない.今回,手術症例数が限られる中小病院にあたる当院での導入初期段階での検討を行ったのでここに報告する.
【対象と結果】導入に際しては,学会での聴講,手術手技動画での学習,ドライラボでの検証,学会におけるハンズオンセミナー,体外操作での実証を行った.吻合法はOverlap法,又は機能的端々吻合法を用いた.導入後同様な前処置でも腔内便汚染を認める症例があり,腔内で間膜処理と腸管切離まで行い摘出標本内の便貯留有無で体腔内吻合を行うか判断を行った.比較検討症例は2023年1月~6月の間に大腸癌に対して施行した腹腔鏡下回盲部切除または右半結腸切除症例の12例を対象に腔内吻合施行のA群4例,
腔内切離腔外吻合のB群4例,腔外切離吻合のC群4例に分けた.A群/B群/C群のそれぞれの項目での結果はいずれも平均値で,皮切長4/4.5/6.4cm,手術時間222/185/154分,腔内切離時間32/31/0分,腔内吻合時間44/0/0分,出血量5/5/5g,排ガス術後1/1.5/1.5日,退院可能日5.8/6/6.8日であった.Clavien-Dindo分類II以上の合併症はA群で腹腔内膿瘍1例,B群で吻合部出血1例を認めた.
【考察】検討結果より体腔内操作を行う事で手術時間延長は伴うものの,皮切長の短縮や入院日数短縮において有効な点を認めた.腔内切離は可能な限り行い,腔内吻合は巨大腫瘍ではない,著名な残便がないなどの条件がそろえば行う事で,腔内操作の有効性を示しつつ癒着や肥満症例などに対応できていくと考えられた.今後,技術研鑽を重ねるとともに症例数を増やしさらなる検討を行っていく.
【対象と結果】導入に際しては,学会での聴講,手術手技動画での学習,ドライラボでの検証,学会におけるハンズオンセミナー,体外操作での実証を行った.吻合法はOverlap法,又は機能的端々吻合法を用いた.導入後同様な前処置でも腔内便汚染を認める症例があり,腔内で間膜処理と腸管切離まで行い摘出標本内の便貯留有無で体腔内吻合を行うか判断を行った.比較検討症例は2023年1月~6月の間に大腸癌に対して施行した腹腔鏡下回盲部切除または右半結腸切除症例の12例を対象に腔内吻合施行のA群4例,
腔内切離腔外吻合のB群4例,腔外切離吻合のC群4例に分けた.A群/B群/C群のそれぞれの項目での結果はいずれも平均値で,皮切長4/4.5/6.4cm,手術時間222/185/154分,腔内切離時間32/31/0分,腔内吻合時間44/0/0分,出血量5/5/5g,排ガス術後1/1.5/1.5日,退院可能日5.8/6/6.8日であった.Clavien-Dindo分類II以上の合併症はA群で腹腔内膿瘍1例,B群で吻合部出血1例を認めた.
【考察】検討結果より体腔内操作を行う事で手術時間延長は伴うものの,皮切長の短縮や入院日数短縮において有効な点を認めた.腔内切離は可能な限り行い,腔内吻合は巨大腫瘍ではない,著名な残便がないなどの条件がそろえば行う事で,腔内操作の有効性を示しつつ癒着や肥満症例などに対応できていくと考えられた.今後,技術研鑽を重ねるとともに症例数を増やしさらなる検討を行っていく.