講演情報
[O18-2]腸管減圧後に原発切除した閉塞性大腸癌の短期・長期成績
芥田 壮平, 石山 泰寛, 大和 美寿々, 中西 彬人, 皆川 結明, 藤井 能嗣, 岡崎 直人, 石井 利昌, 平沼 知加志, 平能 康充 (埼玉医科大学国際医療センター消化器外科)
[背景]閉塞性大腸癌に対しては,腸管減圧後の原発切除が標準治療となっている.しかし,その長期予後は明確なコンセンサスが得られておらず,減圧法に関しても施設間で差がある.
[方法]2010年1月から2019年12月までの期間に当科で腸管減圧後に原発切除した閉塞性大腸癌に関して,ステント群(S群)とロングチューブ群(L群)に分類し,後方視的に短期・長期治療成績の検討を行った.
[結果]上記期間に原発切除を施行した大腸癌は4000例であり,閉塞性大腸癌(閉塞により術前絶食管理,緊急人工肛門造設,ステント留置,ロングチューブ留置を要した症例)は212例(5.3%)であった.そのうち重複癌,多重癌,CurB・C切除を除外した症例は110例であった.術前絶食58例と緊急人工肛門造設術11例を除外した41例を,S群8例とL群33例に分類した.S群:L群として減圧期間は32(11-118):13(4-32)(p=0.001)と有意にS群が延長していた.術式CR/RHC/TR/DR/SR/HAR/LAR/Hartman/TPEは0/2/0/3/2/0/1/0/0:5/9/1/7/6/1/2/1/1,Clavien-Dindo分類III以上の合併症は0:3(p=0.33).L群で縫合不全(IIIb),吻合部狭窄(IIIb),人工肛門壊死(IIIb)を認めた.術後在院日数(日)は7(5-70):7(5-193)(p=0.29)であった.観察期間(日)は1301(488-4250):1502(154-2781),OS(%)は3年100:86.7(p=0.49),5年80:74.5(p=0.49),RFS(%)は1年75:84.1(p=0.7),3年75:67.1(p=0.7)であった.
[考察]原発切除を施行した閉塞性大腸癌は大腸癌全体の5.3%と稀であり,腸管減圧を要したのはその半数であった.当科ではロングチューブによる減圧を選択する傾向であったが,短期・長期成績ともに両群で差を認めず,どちらの減圧法も選択肢となりうる.
[方法]2010年1月から2019年12月までの期間に当科で腸管減圧後に原発切除した閉塞性大腸癌に関して,ステント群(S群)とロングチューブ群(L群)に分類し,後方視的に短期・長期治療成績の検討を行った.
[結果]上記期間に原発切除を施行した大腸癌は4000例であり,閉塞性大腸癌(閉塞により術前絶食管理,緊急人工肛門造設,ステント留置,ロングチューブ留置を要した症例)は212例(5.3%)であった.そのうち重複癌,多重癌,CurB・C切除を除外した症例は110例であった.術前絶食58例と緊急人工肛門造設術11例を除外した41例を,S群8例とL群33例に分類した.S群:L群として減圧期間は32(11-118):13(4-32)(p=0.001)と有意にS群が延長していた.術式CR/RHC/TR/DR/SR/HAR/LAR/Hartman/TPEは0/2/0/3/2/0/1/0/0:5/9/1/7/6/1/2/1/1,Clavien-Dindo分類III以上の合併症は0:3(p=0.33).L群で縫合不全(IIIb),吻合部狭窄(IIIb),人工肛門壊死(IIIb)を認めた.術後在院日数(日)は7(5-70):7(5-193)(p=0.29)であった.観察期間(日)は1301(488-4250):1502(154-2781),OS(%)は3年100:86.7(p=0.49),5年80:74.5(p=0.49),RFS(%)は1年75:84.1(p=0.7),3年75:67.1(p=0.7)であった.
[考察]原発切除を施行した閉塞性大腸癌は大腸癌全体の5.3%と稀であり,腸管減圧を要したのはその半数であった.当科ではロングチューブによる減圧を選択する傾向であったが,短期・長期成績ともに両群で差を認めず,どちらの減圧法も選択肢となりうる.