講演情報
[PD3-4]腹腔鏡下結腸切除術における体腔内吻合の短期成績に関する検討
大渕 佳祐1, 寺村 紘一2, 北口 大地1, 長谷川 寛1, 池田 公治1, 塚田 祐一郎1, 西澤 祐吏1, 伊藤 雅昭1 (1.国立がん研究センター東病院大腸外科, 2.国家公務員共済組合連合会斗南病院外科・消化器外科)
【背景】腹腔鏡下結腸癌手術における体腔内吻合は,開腹創の短縮や腸管授動範囲の減少などの利点が報告されているが,術後成績に関する報告は限られている.
【目的】当科における腹腔鏡下結腸切除術において,体腔内吻合(IA)と体腔外吻合(EA)の術後短期成績を比較検討する.
【方法】2018年1月から2021年6月に当院で待機的腹腔鏡下結腸切除を実施した症例を対象とした.他臓器同時切除およびDST吻合を施行した症例は除外した.体腔内吻合は全てoverlap法で実施した.実際の手技は体腔内で腸間膜処理と腸管離断を行い,肛門側腸管断端より8cmと口側腸管断端より2cmの腸間膜対側に小孔を作成する.自動縫合器を挿入し順蠕動方向に側々吻合し,挿入孔の遠位端に支持糸をかけ助手に牽引させ,近位端から有棘縫合糸を用いて2層で縫合閉鎖し吻合を終了する.体腔内吻合を行なったIA群と,体腔外吻合を行なったEA群に分けた後,共変量をBMI,ASAスコア,腹部手術既往として傾向スコアマッチング解析を行った.
【結果】解析症例はIA 131例,EA 152例の計283例.傾向スコアマッチング後に各群113例が抽出され,両群の患者背景の有意差は解消された.回結腸吻合と結腸結腸吻合の割合はIA群で81.4%,18.6%,EA群で80.5%,19.5%であった.IA群で有意に手術時間が延長したが(208 vs 183 min,p=0.001),出血量は減少した(9 vs 34 ml,p<0.001).術後合併症(Clavien-Dindo all grade)はIA群で有意に減少し(15.9 vs 30.1%,p=0.02),とりわけ結腸-結腸吻合症例において減少を認めた(23.8 vs 59.1%,p=0.03).同Grade 3以上の合併症は0.9 vs 5.3%(p=0.12).術後在院日数に差はなく(8 vs 8日,p=0.46),両群で術後死亡は認めなかった.
【結語】腹腔鏡下結腸切除における体腔内吻合は,特に結腸-結腸再建で術後合併症を軽減させる可能性が示唆された.現在長期成績について解析を行っている.
【目的】当科における腹腔鏡下結腸切除術において,体腔内吻合(IA)と体腔外吻合(EA)の術後短期成績を比較検討する.
【方法】2018年1月から2021年6月に当院で待機的腹腔鏡下結腸切除を実施した症例を対象とした.他臓器同時切除およびDST吻合を施行した症例は除外した.体腔内吻合は全てoverlap法で実施した.実際の手技は体腔内で腸間膜処理と腸管離断を行い,肛門側腸管断端より8cmと口側腸管断端より2cmの腸間膜対側に小孔を作成する.自動縫合器を挿入し順蠕動方向に側々吻合し,挿入孔の遠位端に支持糸をかけ助手に牽引させ,近位端から有棘縫合糸を用いて2層で縫合閉鎖し吻合を終了する.体腔内吻合を行なったIA群と,体腔外吻合を行なったEA群に分けた後,共変量をBMI,ASAスコア,腹部手術既往として傾向スコアマッチング解析を行った.
【結果】解析症例はIA 131例,EA 152例の計283例.傾向スコアマッチング後に各群113例が抽出され,両群の患者背景の有意差は解消された.回結腸吻合と結腸結腸吻合の割合はIA群で81.4%,18.6%,EA群で80.5%,19.5%であった.IA群で有意に手術時間が延長したが(208 vs 183 min,p=0.001),出血量は減少した(9 vs 34 ml,p<0.001).術後合併症(Clavien-Dindo all grade)はIA群で有意に減少し(15.9 vs 30.1%,p=0.02),とりわけ結腸-結腸吻合症例において減少を認めた(23.8 vs 59.1%,p=0.03).同Grade 3以上の合併症は0.9 vs 5.3%(p=0.12).術後在院日数に差はなく(8 vs 8日,p=0.46),両群で術後死亡は認めなかった.
【結語】腹腔鏡下結腸切除における体腔内吻合は,特に結腸-結腸再建で術後合併症を軽減させる可能性が示唆された.現在長期成績について解析を行っている.