講演情報
[O4-4]ロボット支援手術における下行結腸癌に対する手術手技
野澤 慶次郎, 宮田 敏弥, 浅古 謙太郎, 福島 慶久, 浅田 祐介, 端山 軍, 落合 大樹 (帝京大学医学部付属病院外科)
【はじめに】結腸悪性腫瘍に対する腹腔鏡手術におけるロボット支援手術が2022年4月より保険収載されロボット支援結腸手術件数は増加している.
ロボット支援手術ではワーキングスペースが狭く,術野の制限がある.そのため下行結腸癌のように広い範囲の剥離授動が必要な手術においては,ポート配置が重要な役割を果たす.左側結腸癌は脾弯曲授動を必要とする症例がほとんどである.脾弯曲部周囲には,膵臓,脾臓が隣接し,脾弯曲授動の手技が重要である.
当科で定型化して行っているロボット手術のセッティングと下行結腸,左側横行結腸を対象とした左側結腸切除の手術手技について述べる.
【手技】開脚やや左下頭高位にて,内側アプローチにて開始.患者の左側からロールインする.ポート配置は,右腹部にほぼ一列のポート配置.臍にポートを挿入し気腹する.S状結腸から直腸の手術以外は臍ポートを助手用ポートとして使用する.体腔内吻合を行う場合以外はすべて8mmを使用.当科での標準は内側アプローチであり,基本的には下腸間膜動脈根部での結紮処理行っている.早期癌症例では,LN253の郭清と左結腸動脈の分岐での結紮切離としている.トライツ靭帯部の横行結腸間膜から十二指腸と膵臓の前面を可及的に剥離し,膵臓を露出さ,脾湾曲部まで可及的に内側から十分剥離する.S状結腸は岬角までの剥離を行うことで切除吻合に無理が無いことを確認.再建吻合は縫合器を用いて体外にて器械吻合を施行する.
【考察】ロボット支援手術における左側結腸癌手術の標準術式は複雑な横行結腸から脾弯曲の解剖の理解し,脾弯曲授動を行うことと,中結腸動静脈の個体差が大きい血管処理と郭清が必要なことが左結腸の標準化を難しくしている.ロボット鉗子が干渉しないポートセッティングの配置の基本を理解し,腹腔鏡下手術とは違った操作領域が広い術野ではロボット支援手術の利点を充分に引き出すような工夫が必要である.
【結語】下行結腸癌に対するロボット支援手術手技を定型化することで安全なリンパ節郭清を伴うロボット支援手術が可能であると考えられる.
ロボット支援手術ではワーキングスペースが狭く,術野の制限がある.そのため下行結腸癌のように広い範囲の剥離授動が必要な手術においては,ポート配置が重要な役割を果たす.左側結腸癌は脾弯曲授動を必要とする症例がほとんどである.脾弯曲部周囲には,膵臓,脾臓が隣接し,脾弯曲授動の手技が重要である.
当科で定型化して行っているロボット手術のセッティングと下行結腸,左側横行結腸を対象とした左側結腸切除の手術手技について述べる.
【手技】開脚やや左下頭高位にて,内側アプローチにて開始.患者の左側からロールインする.ポート配置は,右腹部にほぼ一列のポート配置.臍にポートを挿入し気腹する.S状結腸から直腸の手術以外は臍ポートを助手用ポートとして使用する.体腔内吻合を行う場合以外はすべて8mmを使用.当科での標準は内側アプローチであり,基本的には下腸間膜動脈根部での結紮処理行っている.早期癌症例では,LN253の郭清と左結腸動脈の分岐での結紮切離としている.トライツ靭帯部の横行結腸間膜から十二指腸と膵臓の前面を可及的に剥離し,膵臓を露出さ,脾湾曲部まで可及的に内側から十分剥離する.S状結腸は岬角までの剥離を行うことで切除吻合に無理が無いことを確認.再建吻合は縫合器を用いて体外にて器械吻合を施行する.
【考察】ロボット支援手術における左側結腸癌手術の標準術式は複雑な横行結腸から脾弯曲の解剖の理解し,脾弯曲授動を行うことと,中結腸動静脈の個体差が大きい血管処理と郭清が必要なことが左結腸の標準化を難しくしている.ロボット鉗子が干渉しないポートセッティングの配置の基本を理解し,腹腔鏡下手術とは違った操作領域が広い術野ではロボット支援手術の利点を充分に引き出すような工夫が必要である.
【結語】下行結腸癌に対するロボット支援手術手技を定型化することで安全なリンパ節郭清を伴うロボット支援手術が可能であると考えられる.