講演情報
[P2-2-6]超高齢者における大腸悪性腫瘍根治手術の安全性の検討
大谷 雅樹1, 別府 直仁1, 伊藤 一真1, 今田 絢子1, 松原 孝明1, 宋 智亨1, 木村 慶1, 片岡 幸三1, 桑原 隆一2, 堀尾 勇規2, 内野 基2, 池内 浩基2, 池田 正孝1 (1.兵庫医科大学病院下部消化管外科, 2.兵庫医科大学病院炎症性腸疾患外科)
はじめに:
近年では,超高齢者に対してもADLが保たれている場合は大腸悪性腫瘍根治手術を行うことは稀ではない.しかしながら,85歳以上の超高齢者における大腸悪性腫瘍根治手術の安全性は不透明である.
目的:
今回,超高齢者に対する大腸悪性腫瘍根治手術の安全性について検討した.
方法:
2019年1月から2021年12月までの間に当院にて大腸悪性腫瘍根治手術(TPE・PPE等の拡大手術,再発症例は除く)を施行した計152例について,高齢者群(75-84歳)と超高齢者群(85歳以上)の2群に分けて比較検討した.評価項目として,患者因子(性別,BMI,alb,Hb,基礎疾患,多剤内服,術前治療,DNAR),手術因子(術式,手術時間,pStage,根治度,出血量,輸血量,輸液量,予定手術,手術方法,術後合併症,SSI,術後せん妄,術後在院日数,退院先,術後補助化学療法,術後外来通院)について後ろ向きに評価した.
結果:
高齢者群は122例,超高齢者群は30例.両群間で性別,術後せん妄,術後補助化学療法で有意差を認めた.性別は高齢者群:男性70人(57.3%)/女性52人(42.6%),超高齢者群:男性10人(33.3%)/女性20人(66.6%)(P=0.01),術後せん妄は,高齢者群:せん妄あり13/122人(10.6%),超高齢者群:せん妄あり11/30人(36.6%)(P=0.001),術後補助化学療法は,高齢者群:施行21/122人(17.2%),超高齢者群:施行1/30人(3.3%)(P=0.02)であった.また,術後合併症,SSI,術後在院日数,退院先等については両群で有意差を認めなかった.
結論:
術後せん妄頻度は有意に増えるものの,85歳以上の超高齢者であっても安全に手術を施行できており,自宅退院できている.ADLが保たれているならば,超高齢者に対しても大腸悪性腫瘍根治手術を行わない理由はないと考えられる.加えて,総会までにさらに症例数を増やして解析を行い報告することとする.
近年では,超高齢者に対してもADLが保たれている場合は大腸悪性腫瘍根治手術を行うことは稀ではない.しかしながら,85歳以上の超高齢者における大腸悪性腫瘍根治手術の安全性は不透明である.
目的:
今回,超高齢者に対する大腸悪性腫瘍根治手術の安全性について検討した.
方法:
2019年1月から2021年12月までの間に当院にて大腸悪性腫瘍根治手術(TPE・PPE等の拡大手術,再発症例は除く)を施行した計152例について,高齢者群(75-84歳)と超高齢者群(85歳以上)の2群に分けて比較検討した.評価項目として,患者因子(性別,BMI,alb,Hb,基礎疾患,多剤内服,術前治療,DNAR),手術因子(術式,手術時間,pStage,根治度,出血量,輸血量,輸液量,予定手術,手術方法,術後合併症,SSI,術後せん妄,術後在院日数,退院先,術後補助化学療法,術後外来通院)について後ろ向きに評価した.
結果:
高齢者群は122例,超高齢者群は30例.両群間で性別,術後せん妄,術後補助化学療法で有意差を認めた.性別は高齢者群:男性70人(57.3%)/女性52人(42.6%),超高齢者群:男性10人(33.3%)/女性20人(66.6%)(P=0.01),術後せん妄は,高齢者群:せん妄あり13/122人(10.6%),超高齢者群:せん妄あり11/30人(36.6%)(P=0.001),術後補助化学療法は,高齢者群:施行21/122人(17.2%),超高齢者群:施行1/30人(3.3%)(P=0.02)であった.また,術後合併症,SSI,術後在院日数,退院先等については両群で有意差を認めなかった.
結論:
術後せん妄頻度は有意に増えるものの,85歳以上の超高齢者であっても安全に手術を施行できており,自宅退院できている.ADLが保たれているならば,超高齢者に対しても大腸悪性腫瘍根治手術を行わない理由はないと考えられる.加えて,総会までにさらに症例数を増やして解析を行い報告することとする.