講演情報

[VPD5-4]低位筋間痔瘻を詳細化したPDS分類

栗原 聰元, 三浦 康之, 吉野 優, 吉田 公彦, 長嶋 康雄, 甲田 貴丸, 鈴木 孝之, 鏡 哲, 金子 奉暁, 牛込 充則, 塩川 洋之, 大塚 由一郎, 島田 英昭, 船橋 公彦 (東邦大学医療センター大森病院消化器外科)
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低位筋間痔瘻は頻度の高い痔瘻であり,隅越分類では単純なタイプ(IILS)と複雑なタイプ(IILC)に分類される.分かり易い分類ではあるが,さらに詳細化されると実臨床上有用となる可能性があるそこで当科で痔瘻のPDS分類を考案した.
 分類となる解剖学的要素は原発口(P),瘻管の向かう方向(D),内括約筋(Int),外括約筋(Ext)の4つより構成される.
 PDSは単純な分類とより細分化されたPDS細分類(PDS-Detail:PDS-D)を作成した.
 基礎となる単純分類は原発口Primary〇時→どちらに向かうかDirection(Up:U,Horizontal:H,Down:D)→2次口の位置Secondary〇時で記載する.例えば6時が原発口で下方に向かう(Down)2次口が6時の場合はPDS(6-D-6)と記載する.
 PDSの詳細分類(PDS-D)は経由する括約筋とその高位を単純分類に付記する.(内括約筋:Int,外括約筋:Ext)括約筋は痔瘻が通過する高さによって高位と低位に区別する.(高位:H,低位:L)
 例えばPDS(6-D-6)で内括約筋低位,外括約筋低位で通過する場合はPDS-D(6-D-IntL-ExtL-6)と記載する.
 各分類における術式の選択基準についてはまだ確立はされていないが,今後症例に応じて検討していく方針である.以上実際の症例を提示し報告する.