講演情報

[P13-2-4]直腸NETの外科的切除症例の検討

浜辺 太郎, 牧角 良二, 西澤 一, 佐々木 大祐, 福岡 麻子, 大坪 毅人 (聖マリアンナ医科大学消化器・一般外科)
PDFダウンロードPDFダウンロード
膵・消化管NET診療ガイドラインでは,固有筋層浸潤,脈管侵襲,局所リンパ節転移の疑いのある場合にはリンパ節郭清を伴う根治術,上記を伴わない病変に関しては内視鏡治療,経肛門・経仙骨的切除または直腸切除術が推奨されている.直腸NETは下部直腸に好発し,外科的治療後の排便障害が問題になることがあり,治療方針の選択に難渋することがしばしばある.
2014年1月~2023年12月までの10年間で,当科で施行した直腸NETの外科的切除症例は7例であった.この症例の手術因子,病理組織学的因子,予後などを後方視的に検討し,手術の妥当性を検証した.
年齢は61歳(36-78歳).男女比は5:2.局在はRa:1例,Rb:6例.内視鏡治療後の追加切除は3例であった.術式はVLAR:3例,ISR:2例,TAMIS:2例.手術時間は255分(54-385分).出血量は51ml(5-108ml).術後在院日数は16日(6-40日).合併症はVLARの1例でoutlet obstruction(IIIa),小腸穿孔(IIIb)を認めた.腫瘍径は1cm未満:2例,1cm以上2cm未満:4例,2cm以上:1例.StageはI:4例,IIIb:2例,IVa:1例.脈管侵襲は6例に認めた.最終診断はG1:4例,G2:3例.予後は生存:5例,死亡:1例,不明:1例.術後の排便障害はVLARの1例で認めた.直腸NETの外科的切除例の治療成績は概ね妥当であった.文献的考察を含めて報告する.