講演情報
[VSY1-1]術前3D-CT血管構築を用いた横行結腸癌に対する鏡視下手術
石崎 哲央, 久保山 侑, 真崎 純一, 笠原 健大, 田子 友哉, 有働 竜太郎, 永川 裕一 (東京医科大学病院消化器外科・小児外科)
緒言:結腸癌手術において全結腸間膜切除術(CME)達成のため責任血管の根部処理(CVL)が必須である.横行結腸癌では,責任血管が複雑なバリエーションや破格を伴う中結腸動脈(MCA)と中結腸静脈(MCV)であることが多い.開腹手術と異なり,拡大視効果に優れるが俯瞰的視野で劣る鏡視下手術において術前3D-CTによる血管構築を行い評価することは有用と考える.
方法:単施設,後方視的研究である.2012-2022年に術前3D-CT血管構築を行い,鏡視下手術をおこなった横行結腸癌110例を対象とした.マルチディテクターCTを用いて動脈相10秒,門脈相30秒で1mmスライス撮影したDICOMデータをSYNAPSE VINCENTボリュームアナライザー(富士フィルム)を用いて構築した血管解剖をもとに手術を行った.
結果:血管解剖MCAは110例(100%)に存在し,MCAの左枝と右枝が共通管を有する共通管タイプは93例(84.5%),共通管長は22mmだった.共通管を形成しないで左枝と右枝がSMAから直接分岐するタイプは17例(15.5%)に認め,左枝と右枝の距離は10mm(5-13mm)だった.副MCAは30例(27.2%)に存在した.MCVは110例(100%)に存在し,流入先はSMV 77例(70.0%),GCT 27例(25.0%),JV 6例(5.0%)だった.患者背景は年齢67歳,男:女=64:46,BMI=22.4kg/m2,Stage I:II:III:IV=14:46:41:9.手術成績は出血35ml,手術時間233分,郭清リンパ節個数23個,完全CME107例(97.2%),Grade 2以上の術後合併症は8例(7.2%),術後在院日数9日だった.
結語:複雑な血管解剖を有する横行結腸癌に対して術前3D-CT血管構築を用いることで安全で精度の高い鏡視下手術を行うことができる可能性が示唆された.
方法:単施設,後方視的研究である.2012-2022年に術前3D-CT血管構築を行い,鏡視下手術をおこなった横行結腸癌110例を対象とした.マルチディテクターCTを用いて動脈相10秒,門脈相30秒で1mmスライス撮影したDICOMデータをSYNAPSE VINCENTボリュームアナライザー(富士フィルム)を用いて構築した血管解剖をもとに手術を行った.
結果:血管解剖MCAは110例(100%)に存在し,MCAの左枝と右枝が共通管を有する共通管タイプは93例(84.5%),共通管長は22mmだった.共通管を形成しないで左枝と右枝がSMAから直接分岐するタイプは17例(15.5%)に認め,左枝と右枝の距離は10mm(5-13mm)だった.副MCAは30例(27.2%)に存在した.MCVは110例(100%)に存在し,流入先はSMV 77例(70.0%),GCT 27例(25.0%),JV 6例(5.0%)だった.患者背景は年齢67歳,男:女=64:46,BMI=22.4kg/m2,Stage I:II:III:IV=14:46:41:9.手術成績は出血35ml,手術時間233分,郭清リンパ節個数23個,完全CME107例(97.2%),Grade 2以上の術後合併症は8例(7.2%),術後在院日数9日だった.
結語:複雑な血管解剖を有する横行結腸癌に対して術前3D-CT血管構築を用いることで安全で精度の高い鏡視下手術を行うことができる可能性が示唆された.