講演情報
[PD6-3]当院における潰瘍性大腸炎治療の内科外科連携と手術症例の治療成績に関する検討
山内 慎一1, 朝野 紗稀子1, 柴野 潤1, 貫井 聖人1, 原田 紡1, 山本 祥馬1, 杉下 哲夫1, 山本 雄大1, 髙岡 亜弓1, 佐々木 恵1, 花岡 まりえ1, 藤井 俊光2, 岡本 隆一2, 絹笠 祐介1 (1.東京科学大学消化管外科学分野, 2.同消化器病態学分野)
【背景】当院では原則として潰瘍性大腸炎・クローン病先端医療センターの担当医(主に消化器内科医)が窓口となり,潰瘍性大腸炎(UC)患者の受診を受け入れ,治療を開始・継続している.外来診療においては,時に,内科的治療抵抗性や炎症性大腸癌発症により手術適応と判断された患者が,院内の外来コンサルテーションシステムにより円滑に当科に紹介され,予定手術の手続きがなされている.一方,入院診療においては,再燃や重症化等で入院加療が必要となったUC患者について,複数科および他院連携施設医師が参加する炎症性腸疾患(IBD)カンファランスにおいて情報共有がなされ,手術適応の検討と緊急手術マネージメントがシームレスに行われている.患者に不利益が生じないようにするため,迅速な情報共有化を行い,制限のある手術枠内での予定手術調整や緊急手術における人員調整が可能となっている.
【目的】内科外科連携診療のもとで行っているUC手術症例の特徴および治療成績を検討する.
【対象と方法】2018年4月から2024年3月までに,当院消化器内科から手術適応症例として紹介され,手術に至った患者を対象とし,その特徴と手術成績について後方視的に検討した.
【結果】対象期間に90名の患者に107件の手術(人工肛門閉鎖術除く)を施行した.年齢(中央値)は49歳,男63/女25例,緊急手術は44件(41%,初回手術としては50%)であった.初回手術適応は,内科的治療抵抗性/重症/癌合併:41/15/31例(3期分割2期目除く)であり,3期分割手術/2期分割手術/1期的手術:28/44/15例,再建は,IACA/IPAA/再建なし:15/45/16例,アプローチは腹腔鏡下/ロボット支援:87/20例であった.開腹移行は腹腔鏡下/ロボット:3/1例,術後在院日数(中央値)は予定手術例/緊急手術例:8/10.5日,Clavien-Dindo分類3以上の合併症は予定手術例/緊急手術例:7(10%)/3(7%)例であった.
【結語】当科におけるUC手術症例は緊急手術が50%を占めていたが,手術短期成績は緊急手術においても比較的良好であった.
【目的】内科外科連携診療のもとで行っているUC手術症例の特徴および治療成績を検討する.
【対象と方法】2018年4月から2024年3月までに,当院消化器内科から手術適応症例として紹介され,手術に至った患者を対象とし,その特徴と手術成績について後方視的に検討した.
【結果】対象期間に90名の患者に107件の手術(人工肛門閉鎖術除く)を施行した.年齢(中央値)は49歳,男63/女25例,緊急手術は44件(41%,初回手術としては50%)であった.初回手術適応は,内科的治療抵抗性/重症/癌合併:41/15/31例(3期分割2期目除く)であり,3期分割手術/2期分割手術/1期的手術:28/44/15例,再建は,IACA/IPAA/再建なし:15/45/16例,アプローチは腹腔鏡下/ロボット支援:87/20例であった.開腹移行は腹腔鏡下/ロボット:3/1例,術後在院日数(中央値)は予定手術例/緊急手術例:8/10.5日,Clavien-Dindo分類3以上の合併症は予定手術例/緊急手術例:7(10%)/3(7%)例であった.
【結語】当科におけるUC手術症例は緊急手術が50%を占めていたが,手術短期成績は緊急手術においても比較的良好であった.