講演情報
[O8-3]ロボット支援結腸切除術における体腔内デルタ吻合の定型化と短期成績
谷田 司, 中田 健, 杢谷 友香子, 高山 碩俊, 石田 智, 中島 慎介 (市立東大阪医療センター)
【目的】
ロボット支援手術の利点は拡大視効果と良好な操作性であり,結腸癌においても剥離,郭清において精緻な手技が可能となることで手術成績の向上が期待される.また,体腔内吻合は腸管剥離範囲が少なくてよく,開腹創長を短縮できる一方で手技的な困難さが指摘されるが手技の定型化とロボット手術の操作性の良さで克服できると考える.
【対象・方法】
当科では2022年6月からロボット支援下結腸切除術を施行した139例からDST吻合を除いた96例を対象とした.術後短期成績を検討し,定型化した体腔内デルタ吻合の手技を供覧する.
【結果】
年齢中央値は76(44-94)歳,男女比は48/48(例)であった.主占拠部位は虫垂/盲腸/上行結腸/横行結腸/下行結腸/S状結腸=2/13/45/21/8/7(例),術式は回盲部切除/右半切除/左半切除/部分切除/S状結腸切除=29/44/2/15/6(例),吻合は体腔外FEEA:6例,体腔内デルタ吻合:88例,左側の症例で体腔内吻合が困難と判断して体腔外に移行した症例が2例あった.手術時間中央値は197(117-392)分,コンソール時間中央値135(60-342)分,出血量中央値は0(0-300)ml,開腹移行は認めなかった.術後合併症(≧CD3)は7/96例(7.2%)であり,縫合不全は体腔内から体腔外に移行した1例で認めたが(1.0%),体腔内デルタ吻合では認めなかった.イレウス2例,肺炎2例,水頭症1例,腹腔内膿瘍1例であった.
【結語】
デルタ吻合は必要腸管長が短く,腸間膜のねじれがないため吻合腸管の緊張の緩和につながる.ロボット支援下結腸癌手術においてデルタ吻合は手技の定型化によりほぼ全例で安全に施行できた.
ロボット支援手術の利点は拡大視効果と良好な操作性であり,結腸癌においても剥離,郭清において精緻な手技が可能となることで手術成績の向上が期待される.また,体腔内吻合は腸管剥離範囲が少なくてよく,開腹創長を短縮できる一方で手技的な困難さが指摘されるが手技の定型化とロボット手術の操作性の良さで克服できると考える.
【対象・方法】
当科では2022年6月からロボット支援下結腸切除術を施行した139例からDST吻合を除いた96例を対象とした.術後短期成績を検討し,定型化した体腔内デルタ吻合の手技を供覧する.
【結果】
年齢中央値は76(44-94)歳,男女比は48/48(例)であった.主占拠部位は虫垂/盲腸/上行結腸/横行結腸/下行結腸/S状結腸=2/13/45/21/8/7(例),術式は回盲部切除/右半切除/左半切除/部分切除/S状結腸切除=29/44/2/15/6(例),吻合は体腔外FEEA:6例,体腔内デルタ吻合:88例,左側の症例で体腔内吻合が困難と判断して体腔外に移行した症例が2例あった.手術時間中央値は197(117-392)分,コンソール時間中央値135(60-342)分,出血量中央値は0(0-300)ml,開腹移行は認めなかった.術後合併症(≧CD3)は7/96例(7.2%)であり,縫合不全は体腔内から体腔外に移行した1例で認めたが(1.0%),体腔内デルタ吻合では認めなかった.イレウス2例,肺炎2例,水頭症1例,腹腔内膿瘍1例であった.
【結語】
デルタ吻合は必要腸管長が短く,腸間膜のねじれがないため吻合腸管の緊張の緩和につながる.ロボット支援下結腸癌手術においてデルタ吻合は手技の定型化によりほぼ全例で安全に施行できた.