講演情報
[P8-1-1]cT4b結腸癌に対するロボット支援腹腔鏡下手術の短期成績
河合 賢二, 德山 信嗣, 高橋 佑典, 俊山 礼志, 山本 昌明, 酒井 健司, 竹野 淳, 濱 直樹, 宮崎 道彦, 平尾 素宏, 加藤 健志 (国立病院機構大阪医療センター外科)
【はじめに】当院ではda Vinci Xiを用いたロボット支援直腸癌手術の導入に続いて,2022年4月より結腸癌に対するロボット支援手術が保険適応となったことを受け,結腸癌に対してもロボット支援手術を開始し手術手技の定型化を進めてきた.現在はcT4b結腸癌に対してもロボット支援手術を第一選択としているが,安全性・有効性の検討は十分ではない.【対象と方法】2023年1月から2024年4月までに当院で他臓器合併切除を伴うロボット支援腹腔鏡下手術を施行した結腸癌症例(直腸S状部を含む)7例について短期成績を後方視的に検討した.【結果】症例は全例が女性で,年齢中央値82歳(73-91)であった.腫瘍占拠部位は上行結腸2例,横行結腸1例,S状結腸2例,直腸S状部2例.手術時間は中央値309分(180-464),コンソール時間は中央値162分(57-317),術中出血量は中央値15ml(0-450)であった.合併切除臓器は11臓器(重複あり)で,内訳は小腸5例,子宮2例,下行結腸・腹壁・卵巣・虫垂が各1例であった.全例で局所は癌の遺残なく切除されており,pT4bであったものは4例であった.術後在院日数は中央値21日(10-69),Clavien-Dindo 分類II以上の合併症は認めなかった.【まとめ】他臓器浸潤を伴う結腸癌に対するロボット支援腹腔鏡下手術は安全に実施でき,手術成績も良好であった.安定した良好な視野で行える同手術は有効な治療選択肢となりうることが示唆された.