講演情報
[R4-3]ロボット支援手術における効果的な止血法:robot suction and coagulation technique(RCT)
竹山 廣志, 岡村 修, 廣瀨 創, 植田 隆太, 堺 聡美, 橋爪 咲奈, 高 正浩, 林 覚史, 原 暁生, 浦野 尚美, 桂 宜輝, 田中 夏美, 吉岡 節子, 横内 秀起, 戎井 力 (市立吹田市民病院外科)
ロボット手術において,ロボット用の鉗子は限られており止血が困難となる場面にしばしば遭遇する.一般的に,電気メスなどのエネルギーデバイスを用いて止血を行う際,血液が貯留していると効果的な凝固を得ることは難しく,DryでClearな術野を保つことが重要である.視野の確保の為の吸引と凝固を効率的に行うために,Olympus社製のソフト凝固に接続した吸引鉗子(WA51138A)などが頻用されている.また腹腔鏡下手術においては,過度な吸引により気腹が保てないこともあり,吸引時の調整も重要である.WA51138Aは利便性の高い鉗子であるが,残念ながら手動でしか操作できず,ロボット手術において術者が操作することはできない.その為に,止血操作は助手操作に大きく依存していることが多い.しかし助手が吸引鉗子を操作する際にロボットアームおよびinstrumentsとの体内外での物理的干渉が発生するという問題点がある.出血しやすい部位は仙骨前面や神経血管束などの狭い骨盤腔内であり,干渉が特に起こりやすい部位である.そのため,このような部位において繊細な止血操作がしばしば困難となる.これらの点を克服するために,我々はロボット支援手術においてロボット手術用吸引鉗子であるSuction Irrigatorを用いた効果的な止血方法であるRobot Suction and Coagulation Technique(RCT)を考案した.RCTの手技動画を供覧し報告する.