講演情報
[P18-1-5]腸重積で発見された盲腸癌の1切除例
山下 晋也1, 江口 聡1, 星野 宏光1, 河田 奈都子2, 川田 純司1, 水野 均1 (1.日本生命病院消化器外科, 2.日本生命病院消化器内科)
成人腸重積症の原因の多くは器質的病変であり,大腸の場合約80%が癌によるものであると報告されている.今回,我々は盲腸癌が原因で発生した腸重積に対して緊急手術を施行した1例を経験したので報告する.
症例は92歳女性.主訴は血便,腹痛.過去2回,腹痛は認めたが自然軽快したため大腸カメラを含めた検査希望はなく経過観察となっていた.今回,3度目の腹痛で救急外来受診.右下腹部に圧痛を認めていた.腹部CT検査を施行すると上行結腸に腸重積を指摘された.血液検査所見ではCEA/CA19-9;3.4/46,WBC/CRP;7470/0.16であった.重積の明らかな原因については不明であったが,癌による重積も疑われた.大腸癌症例におけるoncologic emergencyの可能性を考慮し,総合的な判断のもと,大腸カメラや腹部エコー検査は施行できなかったものの,本人家族に十分に説明の上で緊急開腹手術を施行した.開腹時には重積は解除しており,腹水は少量.触診で回盲部に腫瘤を確認し,盲腸癌の可能性が高いと判断し,回盲部切除術+D3リンパ節郭清術を施行した.手術時間は135分,出血は少量であった.術後経過は良好で術後13日に施設への転院となった.病理組織検査所見はtype2.4.0×3.5cm,pT3,tub2>muc,tub1,pN1a(1/21),INFb,Ly0,V1a,Pn0,pPM0,pDM0,pRM0/pStageIIIb,腹水細胞診は陰性であった.90歳を超えた患者背景を考慮し補助化学療法は行わず,経過観察としている.
症例は92歳女性.主訴は血便,腹痛.過去2回,腹痛は認めたが自然軽快したため大腸カメラを含めた検査希望はなく経過観察となっていた.今回,3度目の腹痛で救急外来受診.右下腹部に圧痛を認めていた.腹部CT検査を施行すると上行結腸に腸重積を指摘された.血液検査所見ではCEA/CA19-9;3.4/46,WBC/CRP;7470/0.16であった.重積の明らかな原因については不明であったが,癌による重積も疑われた.大腸癌症例におけるoncologic emergencyの可能性を考慮し,総合的な判断のもと,大腸カメラや腹部エコー検査は施行できなかったものの,本人家族に十分に説明の上で緊急開腹手術を施行した.開腹時には重積は解除しており,腹水は少量.触診で回盲部に腫瘤を確認し,盲腸癌の可能性が高いと判断し,回盲部切除術+D3リンパ節郭清術を施行した.手術時間は135分,出血は少量であった.術後経過は良好で術後13日に施設への転院となった.病理組織検査所見はtype2.4.0×3.5cm,pT3,tub2>muc,tub1,pN1a(1/21),INFb,Ly0,V1a,Pn0,pPM0,pDM0,pRM0/pStageIIIb,腹水細胞診は陰性であった.90歳を超えた患者背景を考慮し補助化学療法は行わず,経過観察としている.