講演情報
[P23-1-6]当院における直腸脱手術症例の検討
戸倉 夏木1, 皆川 輝彦1, 上田 一夫1, 中野 太郎1, 島田 長人1, 高塚 純1, 鏡 哲2, 牛込 充則2, 栗原 聰元2, 金子 奉暁2, 船橋 公彦2 (1.相模原中央病院, 2.東邦大学医学部外科学講座一般・消化器分野)
【背景】日本人の長寿化に伴い直腸脱が増加し,本学会でも毎年直腸脱に対する治療が議論されている.
【目的】当院における直腸脱症例を検討し,直腸脱治療の課題を考察した.
【対象】対象は2018年4月~2023年3月までの直近5年間に直腸脱手術を施行した52例.他院での術後再発1例を含む5年以内の再手術症例が6例あり,実際の患者数は46名である.
【結果】手術時の年齢は45~93歳(中央値84歳),男性3例,女性43例.80歳以上が30例で90歳以上は7例認めた.入院期間は7~48日(中央値14.5日).高齢者施設からの入院が14例.認知症合併例は24例に認めた.退院後の外来通院回数は0~12回(中央値1.8回).術前検査でCT検査を実施できたのは40例.術前大腸内視鏡検査は6例しか施行できなかった.排便造影検査や内圧検査は実施していない.
術式はGant-三輪-Thiersh法(GMT)が6例,Delorme法が22例,Altemeier法が19例,腹腔鏡下直腸後方固定術(Wells変法)が5例であった.Delorme法の16例,Altemeier法の4例にThiersh法を併施している.
再発例の前治療はGMT,Delorme法,Altemeier法が各2例であった.術後入院中にペースメーカーのリードが断線し突然死した症例と,術後早期に大腸憩室穿孔による腹膜炎の併発での死亡例を2例認めた.その他の症例では再発を認めていない.
【考察】当院での直腸脱手術症例は認知症のある超高齢者が多く,術後地域包括病床でのリハビリ希望も多く入院期間が長くなる傾向であった.また初回弛緩した肛門括約筋の補強としてThiersh法を併施しても再発例が認められ,どのような症例が再発するかが不明なこと.高齢者施設入所患者が多く退院後は施設の医師,訪問看護師に診察を依頼せねばならず,術後の長期状態把握は困難である.腹腔鏡下直腸固定手術症例は在院日数も短く再発は認めていないため,高齢でも耐術能のある患者は十分なShared Decision Makingのもと手術の選択肢として考慮したい.超高齢者の直腸脱手術は人生の終末期のQOLは維持できたものと考える.
【目的】当院における直腸脱症例を検討し,直腸脱治療の課題を考察した.
【対象】対象は2018年4月~2023年3月までの直近5年間に直腸脱手術を施行した52例.他院での術後再発1例を含む5年以内の再手術症例が6例あり,実際の患者数は46名である.
【結果】手術時の年齢は45~93歳(中央値84歳),男性3例,女性43例.80歳以上が30例で90歳以上は7例認めた.入院期間は7~48日(中央値14.5日).高齢者施設からの入院が14例.認知症合併例は24例に認めた.退院後の外来通院回数は0~12回(中央値1.8回).術前検査でCT検査を実施できたのは40例.術前大腸内視鏡検査は6例しか施行できなかった.排便造影検査や内圧検査は実施していない.
術式はGant-三輪-Thiersh法(GMT)が6例,Delorme法が22例,Altemeier法が19例,腹腔鏡下直腸後方固定術(Wells変法)が5例であった.Delorme法の16例,Altemeier法の4例にThiersh法を併施している.
再発例の前治療はGMT,Delorme法,Altemeier法が各2例であった.術後入院中にペースメーカーのリードが断線し突然死した症例と,術後早期に大腸憩室穿孔による腹膜炎の併発での死亡例を2例認めた.その他の症例では再発を認めていない.
【考察】当院での直腸脱手術症例は認知症のある超高齢者が多く,術後地域包括病床でのリハビリ希望も多く入院期間が長くなる傾向であった.また初回弛緩した肛門括約筋の補強としてThiersh法を併施しても再発例が認められ,どのような症例が再発するかが不明なこと.高齢者施設入所患者が多く退院後は施設の医師,訪問看護師に診察を依頼せねばならず,術後の長期状態把握は困難である.腹腔鏡下直腸固定手術症例は在院日数も短く再発は認めていないため,高齢でも耐術能のある患者は十分なShared Decision Makingのもと手術の選択肢として考慮したい.超高齢者の直腸脱手術は人生の終末期のQOLは維持できたものと考える.