講演情報
[P19-2-3]小腸・十二指腸腫瘍(良性・悪性)における小腸カプセル内視鏡検査の有効性の検討
黒河 聖1, 秦 史壯2 (1.札幌道都病院内科, 2.札幌道都病院外科)
目的:小腸腫瘍や深部十二指腸腫瘍は,比較的発生頻度は低いが,部位的な問題から存在診断を確定するには困難性の多い疾患である.今回小腸・十二指腸腫瘍(良性・悪性)において,小腸カプセル内視鏡(CE)を使用した検査所見と有効性について検討した.
対象・方法:当院にて2015年7月から2024年2月までCEを施行した件数は418件,検査目的として,貧血,下血,腫瘍病変目的は338件.そのうち小腸・十二指腸腫瘍25件について,その検査所見と臨床データを後ろ向き観察研究にて検討した.
結果:平均年齢75.9歳,性差は男性14:女性11,精査目的は腫瘍16例,貧血・下血8例,下痢1例.CEの平均胃通過時間は61分,平均小腸通過時間は452分.腫瘍病変は原発癌3例,転移癌3例,悪性リンパ腫6例,神経内分泌腫瘍(NET)3例,ポリープ9例(腺腫2例,Lipoma 3例,Lymphangioma 3例,Polyp1例),消化管間質腫瘍(GIST)1例.CEでの腫瘍存在診断は22例(88%),確定診断方法は内視鏡所見(CE)10例,生検(ダブルバルーン内視鏡使用)10例,外科手術5例.
考察:CE検査は低侵襲で簡便性もあり受容性が高い検査である.高齢者にも比較的安全に行え,病変の確認や小腸おける部位の同定も想定でき,良性腫瘍では経過観察も可能である.今回の検討では,腸管内の残渣が多い状態では発見率の低下を認めたため,前処置等の準備が重要と思われた.
結論:小腸腫瘍・十二指腸腫瘍において,CEは疾患の診断と治療法の選択において重要な役割を占めていた.
対象・方法:当院にて2015年7月から2024年2月までCEを施行した件数は418件,検査目的として,貧血,下血,腫瘍病変目的は338件.そのうち小腸・十二指腸腫瘍25件について,その検査所見と臨床データを後ろ向き観察研究にて検討した.
結果:平均年齢75.9歳,性差は男性14:女性11,精査目的は腫瘍16例,貧血・下血8例,下痢1例.CEの平均胃通過時間は61分,平均小腸通過時間は452分.腫瘍病変は原発癌3例,転移癌3例,悪性リンパ腫6例,神経内分泌腫瘍(NET)3例,ポリープ9例(腺腫2例,Lipoma 3例,Lymphangioma 3例,Polyp1例),消化管間質腫瘍(GIST)1例.CEでの腫瘍存在診断は22例(88%),確定診断方法は内視鏡所見(CE)10例,生検(ダブルバルーン内視鏡使用)10例,外科手術5例.
考察:CE検査は低侵襲で簡便性もあり受容性が高い検査である.高齢者にも比較的安全に行え,病変の確認や小腸おける部位の同定も想定でき,良性腫瘍では経過観察も可能である.今回の検討では,腸管内の残渣が多い状態では発見率の低下を認めたため,前処置等の準備が重要と思われた.
結論:小腸腫瘍・十二指腸腫瘍において,CEは疾患の診断と治療法の選択において重要な役割を占めていた.