講演情報
[P9-2-2]痔瘻術後に腹部反応性リンパ管症をきたした1例
福 昭人 (医療法人福慈会福外科病院)
症例:76歳,男性.主訴:肛門痛と排膿.現病歴:数年前から肛門から排膿があったが放置していた.最近増悪するので受診した.現症:体温36.5度,胸腹部に理学的所見なし.所属リンパ腺腫脹は認めなかった.肛門所見:6時に2次口と瘻管も触知し低位筋間痔瘻と診断した.周囲の皮膚に炎症所見は認めなかった.肛門奥の違和感も自覚したので肛門MRIを施行した.骨盤内リンパ腺腫脹はなく6時に痔瘻を認めた.初診時WBC6500/μl,CRP3.6mg/dlと軽度の炎症を認めた.
肛門括約筋温存痔瘻切除術を施行した.術後創部は経過良好であったが,術後2日目に悪寒と39度の発熱があり,WBC24300/μl,CRP15.8mg/dlと高度の炎症を認めた.胸部レントゲンで肺炎なし,尿沈渣も異常所見を認めなかった.腹部CTで腹部および後腹膜のリンパ腺腫脹を認めた.血液内科にコンサルトしたがリンパ腫は否定的で反応性腹部リンパ管症と診断された.第一セフェム系抗菌剤からカルバペネム系抗菌剤に変更後次第に軽快した.後日,血液内科で腹部CT下リンパ腺生検を施行したが非特異的炎症であった.
痔瘻術後の腹腔内及び後腹膜反応性リンパ管症は極めてまれであるが,念頭にいれるべきである.
肛門括約筋温存痔瘻切除術を施行した.術後創部は経過良好であったが,術後2日目に悪寒と39度の発熱があり,WBC24300/μl,CRP15.8mg/dlと高度の炎症を認めた.胸部レントゲンで肺炎なし,尿沈渣も異常所見を認めなかった.腹部CTで腹部および後腹膜のリンパ腺腫脹を認めた.血液内科にコンサルトしたがリンパ腫は否定的で反応性腹部リンパ管症と診断された.第一セフェム系抗菌剤からカルバペネム系抗菌剤に変更後次第に軽快した.後日,血液内科で腹部CT下リンパ腺生検を施行したが非特異的炎症であった.
痔瘻術後の腹腔内及び後腹膜反応性リンパ管症は極めてまれであるが,念頭にいれるべきである.