講演情報
[O12-6]術前の身体機能の指標と大腸悪性腫瘍切除後の予後との関係
北風 雅敏, 森 良太, 末田 聖倫, 賀川 義規, 西村 潤一, 安井 昌義, 久保 維彦, 綱崎 正孝, 牛丸 裕貴, 益池 靖典, 菅生 貴仁, 向井 洋介, 後藤 邦仁, 柳本 喜智, 小松 久晃, 金村 剛志, 和田 浩志, 大森 健, 宮田 博志, 大植 雅之 (大阪国際がんセンター)
【背景】6分間歩行距離,10m歩行時間,握力は,身体の機能的能力や筋力を簡易に評価するための指標であり,患者の運動耐性や筋肉量(サルコペニア)を反映し,高齢者や慢性疾患を持つ患者の健康状態を評価するのに広く使用されている.これらの指標が大腸癌切除の術後合併症と関係することを報告してきたが,長期予後との関係は検討されていない.
【目的】術前に測定した身体機能の指標と大腸悪性腫瘍切除後の予後との関係を明らかにする.
【対象・方法】2017年11月から2019年3月までに当院で試行した腸管切除を要した,術前に身体機能(6分間歩行距離,10m歩行時間,握力)を測定した大腸悪性腫瘍切除症例での身体機能と全生存期間,無再発生存期間との関係について評価した.
【結果】T4,M1,6分間歩行距離,10m歩行時間が全生存期間において有意差を認め,M1,6分間歩行距離が多変量解析から全生存期間における独立した予後リスク因子であった(p<0.05).また,無再発生存期間についても検討を行ったが,腫瘍主座(直腸),リンパ節転移ありが独立した予後リスク因子であったが,身体機能の因子では有意な差を認めなかった.それぞれの身体機能におけるカットオフ値についても検討を追加した.
【結論】術前の6分間歩行距離は,大腸悪性腫瘍切除術後の予後予測因子に有用な指標である可能性が示唆された.
【目的】術前に測定した身体機能の指標と大腸悪性腫瘍切除後の予後との関係を明らかにする.
【対象・方法】2017年11月から2019年3月までに当院で試行した腸管切除を要した,術前に身体機能(6分間歩行距離,10m歩行時間,握力)を測定した大腸悪性腫瘍切除症例での身体機能と全生存期間,無再発生存期間との関係について評価した.
【結果】T4,M1,6分間歩行距離,10m歩行時間が全生存期間において有意差を認め,M1,6分間歩行距離が多変量解析から全生存期間における独立した予後リスク因子であった(p<0.05).また,無再発生存期間についても検討を行ったが,腫瘍主座(直腸),リンパ節転移ありが独立した予後リスク因子であったが,身体機能の因子では有意な差を認めなかった.それぞれの身体機能におけるカットオフ値についても検討を追加した.
【結論】術前の6分間歩行距離は,大腸悪性腫瘍切除術後の予後予測因子に有用な指標である可能性が示唆された.