講演情報
[P18-2-2]閉塞性大腸癌に対し大腸ステントを挿入し待機的手術を施行した症例についての治療成績と課題
根岸 宏行1,2, 内藤 正規1,2, 澤田 真裕1,2, 増田 哲之1,2, 天野 優希1,2, 臼井 創大1,2, 勝又 健太1,2, 中野 浩1,2, 佐々木 大祐2, 福岡 麻子2, 大島 隆一2,3, 四万村 司2,3, 牧角 良二2, 大坪 毅人2 (1.聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器・一般外科, 2.聖マリアンナ医科大学消化器・一般外科, 3.川崎市立多摩病院消化器・一般外科)
【はじめに】閉塞性大腸癌に対し,2012年より金属ステント(self-expandable metallic stent:以下,SEMS)が保険適応となり,広く行われている.今回我々は閉塞性大腸癌に対しSEMSを挿入し,待機的に大腸切除術を施行した症例について検討した.【対象】2014年1月から2022年12月までに当院でSEMSを挿入し,待機的に大腸切除術を施行した閉塞性大腸癌38例に対し後方視的に検討を行った.【結果】年齢は中央値75.5歳(43−91),男女比は24例:14例であった.病変部位は上部直腸2例,直腸S状部4例,S状結腸14例,下行結腸 10例,横行結腸5例,上行結腸3例であった.SEMS挿入時および挿入後における合併症は認めなかった.挿入後は全例で経口摂取可能であり,待機的に手術可能であった.手術時間は中央値250.5分(99−476),術中出血量は中央値100.5ml(5-469)であった.術後合併症は4例に認め,縫合不全2例,創部SSI 1例,臓器体腔SSI1例であり,術後在院日数は中央値13日(9-155)であった.病期はステージIIが17例,IIIが15例,IVが6例であった.再発は5例に認め,肝転移が4例,腹膜播種が1例であった.【まとめ】閉塞性大腸癌に対しSEMSを挿入することで腸管の減圧が得られ,待機的に手術が可能であった.長期予後について症例の蓄積と検討が必要であると考えられた.